読了後に思考が止まらない、余韻たっぷりの短編。

とても静かで孤独で閉鎖的で、美しい文章でした。
特に修理のシーンは、神秘的であり、どこか背徳感も覚えてしまいます。
「白と黒の布がわだかまる」のところが本当に好きで、
一瞬で引き込まれました。

最後のテセウスに対する違和感は
色々な解釈が分かれると思います。

私は、彼女という存在に個を見出し執着していたことの表れに感じました。

変化が彼女自身に起きたのか、主人公側に起きたのか。
読了後に思考の止まらない余韻たっぷりの作品でした。