第31話 なぜ?

「エル様。なぜあの武器屋にしたのですか?」


「今にも倒壊しそうなのにか?」


「はい。」


「あの建物は外から大きな衝撃を与えない限り壊れない。」


「なぜですか?」


「それはあの建物との違いはなんだ?それがヒントだ。」


「同じでゃはないのですか?」


「外見は同じだ。ルナは魔力視を使えるだろ。使えばわかる。」


「これは...鉄骨に魔力が通っている?」


「そうだ。それであの武器屋は倒壊しないと断言した。」


「あの技術とは一体何ですか?」


「あの鉄骨に魔力が通っているということは。」


「丈夫になると?」


「それだけじゃない。属性魔力を武器の内部に流し込むなど応用ができる。」


「それはすごいですね。しかし、なぜあのような場所で暮らしているのでしょうか?」


「最初に見せられた武器はどんなものだった?」


「なまくらでした。」


「そう、なまくらだった。なのにあの店主は言った。『これ以上いいものはない』とな。これは、あの技術が見抜けるかどうかテストしていたんじゃないか。見抜くことができなければただのなまくらにしか見えないからな。『これが見抜けない奴に売る武器はない』ということじゃないか?」


「もう一つ別のことで聞いてもいいですか?」


「いいぞ。」


「なぜエル様は魔物を背中に隠しているのですか?」


「うん?ああ、そうか。魔力視を使われるとばれるのか。」


「魔力視を使わなければわかりませんでした。」


「そうだな。俺の相棒となったスライムのスイだ。」


「............え?魔物を使役することができた人は歴史上いますがそれはギフトによるものですし使役できるランクも決まっていました。しかし、エル様はそんなギフトなしに手懐けたのが信じられません。」


「スライムには色があり、その属性に対する耐性を持っていることは知ってるよな。このスライムは俺の魔力を与えて色を付けた。」


「そんなことができるのですか?」


「できるぞ。その話は置いといて、スイの属性はすべてだ。」


「そんなスライム、Sランクは確実じゃないですか。」


「スイと俺は魔力でつながっているから兄弟みたいなもんだ。」


スイは

「ぽよん、ぽよん。」

とエルの肩の上をはねる


「ほらな。」


「分かりました。これからよろしくお願いします、スイ。」


スイはルナの肩に乗り

「ぽよん、ぽよん。」

とはねた。

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いつの間にか転生してた俺は最高のギフトで最強になる @KENZYA

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