第8話
少々気になることがあったが、気を取り直して……
来たぞ〜!!遊園地〜!!
遊園地の中は至って普通の遊園地だ。
だが、久々の遊園地に俺はテンションがぶち上がっていた。
「早速、ジェットコースターに行こ!」
「分かった、分かったから引っ張るな——」
俺の腕を掴んで引っ張る玲。
無邪気にはしゃぐ玲が本当に……
「似てるなぁ〜……」
俺がそう口にすると突然、玲が足を止めた。
「どうした?」
「ゆー君は……まだ……なんだね…」
玲の声が途切れ途切れに聞こえるが、その内容が分からない。
「玲…?」
「えへへ…何でもないよ。早く行こ」
無理に笑顔を作っている気がする。
きっと、玲にも何か思うことがあったのだろう。
俺は深く追求するつもりはない。
いつか、話してくれる日が来るだろう。
その時まで、待とう。
♦︎
ジェットコースターに着く頃には玲は、すっかり元に戻っていた。
良かった、良かった。
「そういえば、玲ってジェットコースター大丈夫なのか?」
「実は僕、絶叫アトラクション好きなんだよね〜」
おぉ、それは初耳。
ホラーは無理だけど、ジェットコースターとかは大丈夫なんだな。
俺のイメージ的に苦手そうにしか見えないんだけどな。
やっぱ、成長すれば変わるな。
「ゆー君こそどうなの?」
「俺か?俺は……」
どっちなの…?
そもそも、ジェットコースターに乗らないからまじで分からん。
昔、一回来た時は大丈夫だったと思う。
「行けると…思う…」
自信無くして来た…
まぁ、大丈夫か。
昔、大丈夫だったし。
「んふふ〜♪」
相変わらず上機嫌な玲さん。
説明しておこう!
玲は美少女だ。
100人中120人がはいと答えるほどの美少女だ。
そんな、上機嫌で可愛らしい笑顔を浮かべている美少女がいたら男諸君はどうする?
正解はガン見だ。
隠す気のない視線が玲に注がれている。
だが!男である。
美少女だが、男である。
だが、それがいい!
きっとこの視線の中にも俺と同じことを思っている奴が五万といる…はずだ!
それにしても…みな玲に視線を向けているのに、一人だけ俺に視線を向けている奴がいるのは俺の気のせいだろうか?
「ゆー君、次だよ!」
玲に呼びかけられ、現実に引き戻される。
きっと、俺が自意識過剰なだけだな。
うん、今はそう言うことにしておこう。
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