第2話

「………え?」


 で、デート…?

 デートって男女が日時を決めて会う、あのデートか?

 ま、まさかな、あのデートな訳ないよな。

 デートに似た他のデートに決まってる……

 デートって言い過ぎてデートのゲシュタルト崩壊が起きている…


「今日の放課後、ね!」


 そう言って、玲は自分の席に戻って行った。

 ほんのり耳が赤いような…?

 まぁ、気のせいか。

 俺の目が充血してる可能性があるし。


「…デートか」


 今まで二人で遊びに行くことはあったが、明確にデートと明言されたのは初めてだ。


「なんか…やけに積極的じゃね?」


 まぁ、気のせいな可能性もある。


「ふぅ〜〜」


 HRがもう直ぐ始まるので、鈴が帰ってきた。


「おい、よくも逃げたな」

「なにを、せっかく二人っきりにしてあげたんだから、感謝しなさいよね!」


 妙にツンデレっぽい雰囲気が感じられた。

 思ったんだけど、現実にツンデレがいたらなんか痛いやつっぽくね?

 あ、個人的な意見です。

 批判してるわけじゃないですよ?


「うぃーす…」

「なんの覇気も感じれれないんだけど…」


 まぁ、二年間修行したわけじゃないしな。


 ♦︎


 休み時間ほど素晴らしいものはない。

 特に昼休み。

 よく考えてみなさい、授業が50分、その間の休み時間は10分だ。

 そして、昼休みは40分もある。

 この数字を見ただけでわかるだろ?

 休み時間の素晴らしさは!


「ゆー君!僕、お弁当作ってきたの!」

「マジ?」

「うん!」


 いつも、適当に購買で買っているのを知っていたのか?


「んふふ〜♪」


 いつにも増して上機嫌な玲が、可愛い。

 俺も玲が作ったお弁当を食べれて上機嫌だ。

 つまり、俺も可愛いってこと!?


「はい!食べて!」


 目の前に、俺の好物ばかりのお弁当が出現した。


「ご、ゴクリ…」


 卵焼きを一つ掴み口に入れる。

 すると、だしの味と甘みを感じる。


「うま!」

「ほんとにっ!?」

「あぁ、マジでうまい!」

「良かった〜」


 そのほかのおかずも食べたけど、全部うまい。

 玲の手作り自体全く食べたことがなかったから、ここまで料理上手だとは思わなかった。


「また、作ってくるね!」

「え?さすがに申し訳ないって……」


 朝早く起きてたりしなくちゃいけないしな。


「いいのいいの。僕のも作るついでだから!一つも二つも変わらないし」


 ん〜?それならいいのか?


「まぁ、それなら…でも、お金はちゃんと払うからな!」

「別にいいよ」

「いや、これだけは譲らない!」


 お金の切れ目は縁の切れ目だとも言うしな。


「わかったよ…」


 申し訳ないが不服そうな玲も、可愛い。

 あれ?俺、玲の虜になってない?

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