幼馴染の男の娘と始まるラブコメ

第1話

「ねぇ、ゆー君」

 

 俺の名前を呼ぶ、美少女。


「どうした?玲」

「デートしよ…?」


 ♦︎


 いきなりだが、男の娘についてどう思う?

 俺は素晴らしいと思う。


 でも、男じゃんとか女の方がいいとか言うやつは何も分かっていない。

 男の娘でしか得られない栄養があると、声を大にして叫びたい。

 まぁ、こんなことを叫んだら、通報待ったなしなので心の中に閉じ込めておく。


 とここまで話したが、俺の間近にと言うか幼馴染に男の娘がいる。

 名を本田ほんだれいと言う。


 小柄な見た目で、正直女よりも美少女している。

 本当に二次元から飛び出て来たのでは?

 ってぐらいの美少女具合。


 でも、男だ。

 いや、しかも男だと言った方がいいか。


 おっと、俺のことを話してなかったな。

 俺は遠坂とおさか悠斗ゆうと

 それと言って特出したものは持ち合わせていない、普通な男だ。

 強いて言うなら、顔はそこそこイケてると思う。

 でも、それだけだ。


「ゆー君!」


 そんなことをしていると、呼びかけられた。

 ゆー君と呼ぶのは一人しかいない。


「おはよ!ゆー君」

「あぁ、おはよ。玲」


 そう玲だ。

 玲はなぜか俺のことをゆー君と呼ぶ。

 理由を聞いたところ、「特別感があってよくない?」だとさ。

 可愛いかよ。

 あ、可愛かったわ。


「ねぇ、今日の僕、可愛い…?」


 上目遣いで俺を見上げてくる。

 ぐっ…!破壊力が凄まじい!!


「か、可愛いよ…」

「やった!ゆー君に可愛いって言ってもらえた!」


 ぐふっ……

 もう、死んでもいい…


「ほら!早く学校行かなきゃ、遅刻しちゃうぞ!」

「お、おう」


 俺たちは走って学校に向かった。


「いや〜今日も玲ちゃんは可愛いね〜」


 学校に着き、自分の席で一息ついていると、俺の前の席のやつが近所のおばあちゃんみたいなことを言い出した。


「いいなぁ〜悠斗はさ〜玲ちゃんと幼馴染でさ〜」

「なぁ、鈴。少し静かにしてくれ…」


 こいつの名前は、森下もりしたすず

 たまたま、前の席になり仲良くなった。


「どうしたの〜?もしかしてお眠ちゃんかな〜?」


 う、うぜ〜……

 朝から元気すぎるだろ…

 こっちは走ってへとへとだって言うのに……


「ゆー君♪」

「ん?どうし——うわっ!」


 いきなり玲が抱きついてきた。

 いい匂いがする。


「えへへ!」


 抱きついてきたのはびっくりしたが、可愛いしいっか!


「朝からこのイチャイチャっぷり、すごいな〜」


 お前が言うな。

 俺がジト目で睨みつけると「あとはお若いお二人で〜」と逃げられた。

 同い年だろ。


「ねぇ、ゆー君」

「どうした?玲」


 抱きついたまま、語りかけてくる玲。


「デートしよ…?」







「…………え?」

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