最古の文明を誇るメソポタミア。
エジプト、黄河、インダスに並ぶ四大文明の一つにして、国々興亡の歴史ロマンをあまたに生み出してきた世界。
かく土地の一区画をはじまりの舞台とする本作は、まだまだ序盤にしてすでに壮大性を秘めています。
女神イシュタルの加護を受けた、ウルクの巫女見習いナブリアの試練の旅。
今、メソポタミアの都市は、魔術師一団・ネルガルの使徒におびやかされていた——。
シュメール神話オタクさんや古代文明マニアさんなら、まちがいなく目ん玉飛び出るくらい食いつけるはずです。
また、当方文明の歴史等には乏しいですが、知識に頼らずとも一つの少女伝として十分楽しめますし、何より情景描写が鮮やかなので難なく読むことができます。
「読みやすさ」と「読み応え」を兼ね備えたすばらしい作品だと思います。おすすめだし、お気に入り٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
ぜひ、ご一読ください。
チグリス川とユーフラテス川による肥沃な耕作地と水運の長所、鉱物資源に乏しい短所を、共に活かして東西交易で栄えたメソポタミヤ文明……教科書には必ず出てくる、歴史のロマンあふれる舞台です。
英雄ギルガメシュや女神イシュタル、悪魔パズズなど、ゲームキャラの出典としてお馴染みの方も多いでしょう。
本作の物語は、今も遺跡が残る古代都市ウルクに暮らす少女たちが、はからずも魔物と対峙してしまうことから始まります。
イシュタル神殿のジッグラト、女神の加護を受ける星の巫女、魔物と魔術を操るネルガルの使徒、バビロンへの旅立ちなど魅惑的なキーワードに彩られて、まだ序盤ではありますが、二人の少女ナブリアとラビアの行く末に暗示的な描写もあり、これからの展開に期待させてくれます。
輝く陽光と、熱くざわめくような風、どこまでも流れる川の碧と広がる大地の黄金、そんな神話の息吹を感じる世界観に、皆さまも飛び込まれてはいかがでしょうか。