深淵赤い妖花蠢く〈クトゥルフ短歌連作〉
楠本恵士
深淵赤い妖花蠢く
闇来たる閉ざされたるは洋館の
幻か雪山で見たアノ裸体
産気づく妻が生む魔界のタマゴ
亡き娘生き
幻聴か医師の診察異常はない声に続いて幻視怪物
腕生える肘のつけ根に
亡き叔父の遺品整理で見つかった叔父の子供の魚人姿
呪われた村に入ったヨソ者は男は食われ女イケニエ
選ばれた都会は狩り
皮膚下の女の顔に魔が沈む掻いた皮から別の血の顔
死んだ友
家族変ナゼ眼球2つだけナゼ腕と脚2本しかない
魂を外宇宙に引き抜かれ魔界に落ちて喰われて消える
禁断の書物の
おぞましき心を持った人間が呪いを受けて怪異に変わる
身内殺人
温暖化魔物の
妹が神のイケニエ
人間は家畜扱い高次元人智を超えた収穫
深淵赤い妖花蠢く〈クトゥルフ短歌連作〉 楠本恵士 @67853-_-
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