手紙は灰に灰は薔薇に

二年前に亡くなった母へある日突然届いた手紙。
そこには、両親が結婚する前に住んでいた街の住所と「Ｆ２７―６」という謎めいた記号、そしてエイドリアン・フィールという知らない人間の名前が記されていた。

一体何故、彼はとうに亡くなった母宛てに、今頃手紙を書いて寄こしたのだろう？
「Ｆ２７―６」とは一体何の意味を持つのだろう？
エイドリアン・フィールとは一体、何者なのだろう？

その謎を解くため、マリアはエイドリアン・フィールを訪ねることを決意する。
その意味を知って、一体自分がどんな気持ちになるか想像もつかないままに。

文学フリマ東京38で販売する新刊短編集、「花に嵐」収録。（パノラマ寓話【お-15】）