文集の中でだけは、きみの隣は僕の指定席だった。

あまりにも美しい思い出に捧げる恋文(こいぶみ)。彼は、自分のことをスッポンかなにかのように感じて、気後れしてしまったのだろうか。そんな気後れさえ、懐かしい思い出になる。どんなに遠くても、夜をそっと見守ってくれる、静かな光を想う。…こんな綺麗な思い出、自分にはあっただろうか? ちょっとうらやましい。