あとがき

 みなさま、お疲れさまです。

 いろいろありまして、ご迷惑をおかけしました。


 カクヨム甲子園や、カクヨムで公開されている作品の感想を書いているだけで、選考や審査員もしたことありません。

 そんな人が、作品を選ぶのはおこがましいと思っています。それでも主催者様から頼まれましたので、僭越ながら、できる範囲で選ばせていただきました。

 今回選ぶとき、編集視点と読者視点を意識しました。

 読者視点で各ジャンルから一作ずつ選ぶなら、次のとおりです。

 

時代物 森メメント様の『夜桜の下で、もう一度。』

SF 月井 忠様の『春を望む男』

ホラー 鳥尾巻様の『画鋲』

ファンタジー 時輪めぐる様の『迷子の春』

恋愛 ヒニヨル様の『ハルちゃん』

現代ドラマ 豆ははこ様の『春の星』


 時代物で、きょうじゅ様の『ザッハの甘い嘘』は、スイーツの話で好きでした。

 SFは、AIを題材にされた三作品の中だと、dede様の『ある春の晴れた日に』が良かったです。

 ホラーは、上月祈様の『桜菫抄』と、結音(Yuine)様の『月下の桜』も良かったですね。

 ファンタジーは、縦縞ヨリ様の『帰っておいで』は時事性があって迷いました。

 恋愛では、悩んだ他作品には、犀川よう様の『別れの餞。』、大木げん様の『ガラスの思い出』、犀川よう様の『春に沈む』、@tumarunの『藤の花の下で、香りが誘う』がありました。『ハルちゃん』と『ガラスの思い出』で、迷いました。

 現代ドラマが、非常に大変でした。出来が良いのです。

 悩んで残った他の作品は、フィステリアタナカ様の『あの人に会えた奇跡』、大和田よつあし様の『魔法使いの夜』、天川様の『婆不幸娘』、ゆげ様の『飽和。』、秋坂ゆえ様の『桜に消えたあの人は紅葉を見ない。』、ろくろわ様の『四月馬鹿』、ミナガワハルカ様の『ラ・プリマヴェーラ』、未来屋環様の『散りばめられた星たちは、まるで』です。

 前の選考で、鈴ノ木 鈴ノ子様の『再び、芽吹く』を選んでいたので、推したい気持ちはありました。内容も出来も本当によかったのですけれども、ジャンル内の作品と比較したとき、欲を言えばもう少し一文を短くして読みやすければと考えました。登場するコンパクトカーはリリスではなくヤリスで、助手席が電動リフトアップ式になった福祉車両の一つではと考えて、逡巡しました。

 syu.様の『拝啓、花泥棒さんへ。』は、良かったのですけれども、ボカロをインスパイアされたのかなと考え悩みました。

 大和田よつあし様の『魔法使いの夜』の作品は、ジャンルの中で唯一といっていいほどユーモアのある作品。四作品になったときまで、残っていました。

 

 読者視点で選んだ作品は、わかりやすくて楽しめて、一般にも受け入れやすいと思います。

 それで選んでも良かったのかもしれません。

 ですけれども、読者視点だけでなく、編集視点とテーマと面白さを加味し、総合的に読みくらべなければ、時間と労力を使って作品を作り上げた作者のみなさまに対して、申し訳ないと思いました。


 各ジャンルから一作ずつ選んだ作品が、先に発表した六作品です。

 基本、加点方式で選んでいます。

 それぞれの作品の出来がよかったので、何度も読みくらべました。


 はじめに行った、一般でされている選考基準を参考にした選び方は、作品を落としていくやり方。私としても、心苦しかったです。

 考えを改め、各ジャンルごとに一作ずつ読みくらべていくやり方は、時間も労力もかかりましたけれども、良い作品を取りこぼさないようにするやり方。

 一作に決めてしまうのはもったいない、と思える作品ばかりでしたので、六作品になりました。


 読者を共感させ、作品世界に感情移入させることで面白さを伝える作品はどれなのかと、読み込んでいく時間は楽しかったです。

 ただでさえ病み上がりのぶり返し続きのボロボロのところ、腰痛が悪化してぎっくり腰になって背中の筋を痛め、バランス崩して頭打って血が出て大騒ぎして、ほんとに難儀でした。

 けれども読み終えた今、みなさまの作品に出会えたことに感謝したいと思います。ありがとうございました。

 主催者である犀川よう様、声をかけていただきまして、ありがとうございました。

 みなさま、本当にお疲れさまでした。

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第一回 さいかわ卯月賞の感想 snowdrop @kasumin

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