あかり

砂糖 雪

 さいきん夜に、遠くの方から、小さく点滅するあかりが見える。


 あかりはちか、ちか、ちかとみじかく三回光り、次に三度、ながく光る。

 そして最後にまた、ちか、ちか、ちかとみじかく光る。

 

 それが毎晩夜になると、わたしの家の窓から、海の向こうのどこかからか、見えるのだった。


 はじめわたしは怖くて、ベッドの中でぶるぶると震えながら、閉じこもっていたけれど、段々と、それがなにか大事なメッセージを伝えようとしているんじゃないかしらと、思うようになった。


 しかしそれからしばらく経つと、あかりは見えなくなってしまった。

 結局あのあかりが意味するものはわからずじまい。


 その次の日から、家の近くの浜辺に、なにか白くて固い棒きれのようなものが、波に運ばれてやってくるようになった。

 その小さな棒は、まいにちひとつずつ、流れてきた。

 それらはどれも少しずつ形が違ったから、わたしはこれはパズルだと思って、納得のいく組み合わせで、それらを組み合わせていった。


 パズルが完成すると、驚くことにそれは、わたしと同じかたちになった。

 わたしは怖くなった。

 だって分かってしまったのだ。あのあかりの意味が。

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あかり 砂糖 雪 @serevisie1

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