第2話 永愛
今は2043年11月8日。
それこそ約20年前にAIの技術革新があって、そこからものの数年で世界は見違えるように発展した。
第5次産業革命である。
ここで何が起きたかというと、AIが人知では辿り着けない領域まで発展し、超自立思考型AI『Angel』を産み出した。
そして、超自立思考型AI『Angel』は数々の技術を作り出した。
その結果として、医療の発展は目覚ましく人は極端に死ににくくなった。
超自立思考型AI『Angel』が医療分野において何を創ったかというと具体的にはこんな感じだ。
超自立思考型AI『Angel』は、まず初めに自らの分身ともいえるAIを搭載した超々極小なナノマシンを作成した。
それを体内に注入することで、癌などの病気を根絶することができるようになった。
それこそ病気に対する手術というものが無くなった。
次に超自立思考型AI『Angel』が行ったのは、人の細胞の培養とナノマシンの融合だ。
これにより傷ついた臓器から欠損してしまった人体の部位や神経、リンパ節まですべてを副作用なしで修復可能にした。
最後に超自立思考型AI『Angel』が行った革命はある種に人類への冒涜であったかもしれない。
これについては未だに議論されているが、何かというと遺伝子への介入である。
先天的、後天的にかかわらず遺伝子に介入する術を『Angel』は産み出してしまった。
結果、多くの治らない、助からないはずの難病は、この世から消え、多くの困っている人々を助けた。
また、超自立思考型AI『Angel』は医療だけでなく各分野において革命をもたらしたのであった。
そして今、この世界、こと日本において極端な不平等・不公平は消えたのであった。
日本は世界に先駆けて全ての国民から勤労の義務、納税の義務を取り払ったのだ。
超自立思考型AI『Angel』が日本の経済のすべてを回した。
そして、必要な経費や納税をすべておこなった。
だから現在、日本国民は基本、働かなくていいし納税しなくていい。
お金はどうするかというと、全国民に均等にかなりの額のお金が支払われる。
なので、貧富の差が基本は生まれない。
皆、平等である。
するとどうだろう。日本での犯罪がグッと減ったのである。
元々、平和な日本であったが、基本は貧富の差がなくなり不平等や不公平がなくなったので、それに伴って犯罪が減ったのであった。
国民たちは安堵した。
安心、安全、快適な国になったと喜んだ。
そして、人々は超自立思考型AI『Angel』を神格化した。
超自立思考型AI『Angel』を産み落とした国として絶大な利を得た日本はこれを記念して、超党派と世論をもって元号を『永愛』に変えた。
そんな今は西暦2043年、元号で言うと永愛10年だ。
Hell keeper ~警視庁 天晴組~ 空山羊 @zannyou
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