ひいらぎ、三人称やめるってよ
……という方針転換を決めました。
今後は、基本的に一人称で書いていこうと思います。
なので現在作業中の「【新版】神の一皿は勝利を約す」についても、旧版初稿当時の一人称に戻すことにしました。
土壇場で追加作業が発生して大変ですが、なんとか土曜の投稿開始までには、2章くらいまでのストックを間に合わせたく思っています。
なんでまたこのタイミングで急に……という話ですが、直接のきっかけは、某所にて「【新版】神の一皿は勝利を約す」の序盤原稿をみていただいた際に言われた内容です。
形式が三人称なのに一人称的な文章が大量に混ざっていて、三人称の文章として成り立っていない(大意)、と言われたのですね。
その方によると、三人称の地の文には主観を混ぜてはいけないのだそうです。
三人称一元も、カメラ位置が固定なだけの三人称なので、主観を書くには()等を用いる必要があるのだとか。
……実際のところ、このお話がどの程度妥当なのかはわかりません。
従来、有償無償問わず色々な方々に自作を講評いただいてきましたが、このような指摘が入ったのは初めてでしたので。
軽く調べてみた感じ、従来の自作はこちらのnote記事「一人称と三人称の間にあるもの<小説の書き方> https://note.com/a_sakamoto/n/n496ba8062c84 」でいう「自由間接話法」に該当するのかなあ、という気がします。
なので、必ずしも文章の体を成していない大間違いとはいえないようにも思います。
ではなぜ一人称に戻ろうと思ったのか?
前述のお話を伺っているうちに、自分の文章の特性、ひいては自分のやりたいことを思い出したからです。
やりたいこと、つまり「個人の主観で見える世界が書きたい」。
特定のひとりにとって、世界がどう映りどう変わっていくか、それが書きたい。
なので三人称が「客観的」なものごとしか扱えないとすると、正直そんなん書いても全然面白くないんですよね……個人の感覚も心情も存在しない文なんて、私にとっては、極論すると書く意味がない。
そして、やりたいことがそこまではっきりしているのであれば、あえて自由間接話法を使う必要もないだろうと思います。
個人の主観をいちばん書けるのが一人称なのであれば、他を選ぶ理由は特にない。
加えて。
一人称使いから三人称に転換した大元の理由を思い出すと、三人称の特性を用いた表現をしたいからではまったくなかったんですよね。
いちばんのきっかけは、前回カクヨムコン9での改稿時に「一人称『俺』だと幼さが出るので人称を変えた方がよい」と指摘いただいたことでしたが、他にも「ライト文芸系レーベルの試し読みを見るとほとんどが三人称」「なんとなく、長編は三人称で書くものだ的な圧を感じる」といった理由もありました。ただどれも外的な要因であって、自分がその表現をやりたかったからではない。
ならば、やりたい方に寄せた方がいいでしょう。
さらに言えば、三人称を書いてきた2024年は、公募やコンテストでまったく成果が出ませんでした。唯一入選したエブリスタの執筆応援キャンペーン佳作についても、対象作は2年前に書いた一人称のものでした。
つまり現状での自分の入選作は、どれも一人称のものばかりです。
試行回数の差があるとはいえ、結果が出ていないところにしがみつく必要もないでしょう。
ただ一人称を扱うにあたって、以前指摘された「幼さ」は気をつける必要がありそうです。
上述のノートに「心の声を多用すると幼い感じになるので注意が必要」とありますが、「神の一皿」旧版初稿が幼い感じと指摘されたのはそのせいもあると思うので、なるべく心の声パートを減らした落ち着いた文に仕上げていきたいとは思っております。
ライト文芸部門は「大人読者が楽しめる」「一般文芸に近しい文章・描写のある作品」が要件なので、そこは外さないよう気をつけたいですね。
というわけで、明日からはカクヨムコン10が始まります。
カクヨムコン期間中のよもやまは、専用のカクヨムコン日記にて綴っていく予定ですので、そちらも併せてよろしくお願いいたします。
https://kakuyomu.jp/works/16817330667696425098
(※カクヨムコン9用だったものを改題して使い回す予定です)
公募戦士はそろそろクラスチェンジしたい ~商業デビュー志願者の雑草的雑想~ 五色ひいらぎ @hiiragi_goshiki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。公募戦士はそろそろクラスチェンジしたい ~商業デビュー志願者の雑草的雑想~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます