その扉

 娼館、戀歌楼。
 異形の見世。

 ふらりと立ち寄って、叩いた扉は開かれている。可哀相とも思うのに、ここが娼館で良かったとも思う。

 もしもここが、個人の邸宅なら、私設の美術館や博物館なら、生涯一目と垣間見ることさえ叶わぬものたちが居る。

 残酷な好奇心と純粋に美しいものに惹かれる者の為に、記す。




 ここへ、来るといい。

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