第3話裏切り

長谷川はカラオケの後、光明学園の女の子から手紙をもらった。そこには電話番号が書いてあった。

堀口は悔しがったが、

「いんや〜、モテる男は大変だぜ。なぁ〜堀口」

「うるせぇ」


その夜に、女の子に電話した。

翌日に神ノ倉公園で待ち合わせした。

長谷川は周りに悟られないように、公園へ向かった。


女の子はベンチに座り、長谷川を待っていた。

長谷川の姿を見ると、女の子は立っていた。

「やぁ、どうも」

と長谷川が言うと、

「私、長谷川君の事が……」


「ちょっと待ったぁぁ!そこの子のクソガキ、私の彼氏に何を言ってるの?」


女の子は驚き、

「え……え、長谷川君、彼女いたの?」

「ち、違うよ!こいつは堀口なんだ。男だよ!」

「フンッ、失礼ね。さっきまで、私とファックしてたじゃない!」


「長谷川君、この話しは無かった事にして!彼女さんと幸せに」

「だから、違うよ」

女の子は走ってその場を去った。


「堀口〜!」

「俺より先に彼女を作る事は許さん!裏切り者は成敗する」


それから、2ヶ月後。

将棋倒しをしていた堀口に女子が声を掛けた。

2年5組の女の子だ。

「堀口君、ちょっと。話しがあるんだけど」

「話し?良いよ」

「じゃ、屋上で待ってる」

「長谷川、話しって何だろうなぁ?かぁ〜、モテる男は大変だぜ」


堀口が屋上に行くと、声を掛けた女の子と1年の女子がいた。

「まゆみちゃんが、長谷川君の事好きになっちゃって、堀口君が長谷川君と仲良いから、きっかけを作ってもらいたくて」

「な、なんだ。そう言う事か〜」

「ヘイ・ユー!私の彼氏に何を言ってるの?」

「違う!長谷川、落ち着け!」

金髪のカツラを着けていた。

「何よ、ブスども!堀口君、また私を鬼の様に突き上げて!」


1年の女子は、

「長谷川さんって、変態だったんですね。私ダメです。こんな人。さようなら」


「えっ?えっ?」

「長谷川、あの1年女子はお前の事が好きだったんだ」


長谷川は暫く、呆然した。

カツラまで準備したのに……。

彼はいつまでも、幸せになることは無かった。



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僕たち将棋同好会ですが、決してネクラではない珍獣の集まりです 羽弦トリス @September-0919

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