【夢みる夢子さん】

夢月みつき

第1話「夢子の夢」






 私は、夢ノ夢子。ふしぎな夢をみる中学生。

 今日は、レモンパイを買う夢を見たの。

 そしたら、枕元にレモンパイが置かれていた。


 私が買い物をする夢をみるたびに現実になる。

 きっと、私を見守るあしながおじさんが、私にプレゼントしてくれているのよ。

 そうに違いないわ!


 せっかくだから、夢日記を付けて見よう。そのうち、あしながおじさんに会えたりして……



 〇月〇日

 今日は、ノートとクリアファイルを買う夢をみたわ。

 とっても、かわいいキャラクターのステーショナリー。

 私が朝起きると、枕元にそのノートとクリアファイルが置かれていた。

 “あしながおじさん”ありがとう!



 〇月×日

 今日はちょっと、高めなブランドのお財布を買ってみたわ。

 こんなお財布持てるなんて、夢みた~い。

 でも、これは夢でも現実になるのよね?

 “あしながおじさん”お願いネ!

 すると、枕元にブランドのお財布が。やったあ!


 私が夢で願えば、なんでも“あしながおじさん”が現実にしてくれる。

 今度は、なににしようかしら?




 ◆




 今日の夢はこういう夢だったの。


 〇月△日

 今日は、夢の中で素敵な彼氏を買ったの。

 彼氏なんて買えるの?と思っていたけど……

 買えちゃった♪“あしながおじさん”お願いね!




 朝起きると、私の横には素敵な男の人がいて、ちょっと怯えているような表情をしているけど。気のせいよね?だって、おじさんが買って来てくれたんだもの!


 その時、テレビのニュース速報が入った。


『○○市△△区の〇坂〇憲さん二十四歳が突如、行方不明になり……』


「まぁ、怖い!世の中には本当に怖い人もいるものね」



 -終わり-



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