第17話笑顔

優勝は浜松中央テニスクラブの落合・長嶋ペア表彰式は3分後


---次はいなくなんなよ月!見張ってるかんな!

---見張ってなくても消えたりしないよ。

---そうだなわりい。


落合は茶目っけたっぷりな顔で謝った。こうして、2人は表彰式に向かった。表彰式は優勝の表彰式が初めてだった落合はガチガチに緊張して表情が固まったままだった。それを見て長嶋が思いっきり笑った。そして、表彰式が難なく終わった。


---月、式中笑いすぎ!

---いやゴメンどうしても我慢出来なくて。


決勝の試合が終わり緊張の糸が切れたのか、2人はよくしゃべった。まるで会えなかった分を取り返すかのように。テニスのこと以外も話した。学校のこと最近観たTVのこと色々だ。テニスのこと以外こんなに話したのは初めてと長嶋が言った。こんなに楽しいのは初めてだ。落合が笑った。2人は性格が違うし別の学校だから、会うこともない。全てがテニスで繋がっているのだ。


---高校はどこ進学するの? 

---◯◯高校

---え、そこ底辺だし。地元だし。テニス弱いし、月ならスカウトくるんじゃないか?

---クラブでテニス続けたいし、そしたら太陽とまたダブルス組めるかなって思 

---なんだ月、オレと組みたいのか。だったら、さっさと言えばいいのにオレは△△高校別の学校だけど、クラブには通うから安心してくれ

---心配とかしてないけどね。

---ウソをつけ!てゆうか、オレに行きたい高校聞けばいいのに、何で◯◯高校なんかに

---家から通えて、合格出来そうな学校が◯◯高校しかなかったんだよ。

---月、頭弱いもんな。テニスはクソ強いけど。

落合が薄ら笑いで言った。

---うるさい!

長嶋が怒った。2人は延々と話した。

---オレたち高校も別々だけど、またペア組むよな。

---そうだね。また組もう!


こうして、2人は別れた。そして、またダブルスを組んだ。最初から決まってたみたいに

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ダブル 陶来鍬紘 @sakura0427

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