王道のマジックフライト

まず個人的に思うのは「応募要項に完璧に沿った作品」ということでした。
「地域 × ホラー」として観光案内にもなっているし、
異界の名前が現実と異なるのも「地域ブランド」に考慮した「フィクションベース」になっているし、
主人公のデザインも「小学生が夏休みに帰省した際に、楽しめるような内容」になっているし、
物語のラストの声も「複数の音声スポットを巡りながら、小説を読み進める感覚で体験する」に沿っていると感じました。

そして読みやすい王道です。
異界に行って、帰ってくるスタンダードな物語。
昔話で見る呪的逃走の話をベースにしているのかな、と思いました。
何よりも、怪異の余分な設定やだれるうんちくが一切ないのも、とてもとっつきやすい点です。
約5000字でするりと読めるホラーです。