ただ痛々しい黒歴史と青春をぶち壊す苦々しい黒歴史

リアルソロプレイヤー

今考えるとかなり痛々しい黒歴史とかなり恥ずかしい黒歴史

 人生の中でも最もバカな時期はいつだろうか?

 そんなことを尋ねられた時、私には迷わず『中学時代』と返せてしまえる自信がある。それぐらい私のバカげた行動は中学時代に集まっている。またそれと同時に俗に黒歴と呼ばれる恥ずかしい行動も中学時代には豊富に存在した。

 その中でも今回は2つの恥ずかし過ぎる行動について話そうと思う。

 まず一つ目は私が中学1年生の頃、初めて週刊漫画雑誌を買い始めて本格的に有名な海賊漫画に嵌り始めた頃の話。


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 授業中、寝るorノートへのイタズラ描きが私の仕事だった。

 何せ、小学校時代はノートを丸々1冊使い、超次元サッカーの秘伝書を作っていたぐらいなのだから。中学に入ってその悪癖が消えることなどない。だけどその日は自作の『文房具戦国時代』を描いているわけでも、化け物みたいなネコやイヌを描いているわけでもなかった。とある海賊漫画に憧れ、自分なりの海賊団を作りたい。だからその設定を描いていた。

 最初に考えたのは自分の懸賞金だった。

 当時の私は今以上に単純バカだったので即決で「よし、100億にしよう」と決めた。あの海賊王ですら『55億6480万』という金額なのに、私が自身に課した懸賞金はその金額のほぼ2倍。マッハ20の教師と同等の懸賞金である。我ながら自己評価が高すぎて、今ではかなり引いてしまう話だ。しかしここまではあくまでも自分の話。ここから着々と一味のキャラクターを作っていくわけだが、当時の想像力が乏しかった私は例の海賊漫画にキャラ設定がかなり寄っていた。流石に全員は覚えていないが、一味には戦闘員、コック、動物と喋れる人間なんてものもいた。恐らく他のメンバーも似たような設定を借りパクしていたと思う。でも問題はそのあとにあったんだ。なんと私が書いた痛々しい中2海賊設定資料。それがクラスに知れ渡ったのだ。……正直、死にたくなった。しかも当時の私は中2病という言葉を知らず、それを調べて知ってからさらに大ショック。少なくても1年の間中は海賊王という内容で揶揄われ続けた。


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 これがただただ痛々しい黒歴史の話だ。

 本当に当時は顔から火が出る程恥ずかしい思いをした。

 まあおかげでキャラクターの設定を作るということに興味が沸き、自作の小説を書く原動力になったわけだけど。所謂怪我の光明というやつである。受けた傷があまりにも大きすぎた気もするが。しかも私は恐らくある意味学年の有名人だったと思う。普通に廊下を歩いていても、知らない人間から声を掛けられる。しかも音痴という理由で何度も人前でアニソンを歌わせられた。主に『銀と魂』が付く少年漫画のアニソンだ。自分ではそんなにズレている気はしていなかったが、周囲の反応を見るにアレは恐らく音程が滅茶苦茶だったのだろう。まあ歌に関しては自分が好きな曲を歌えれば、あまり気にしない質だから問題ないが。

 それでも俺がある意味学年の有名人だったという点は変わらない。

 つまり翌日には広まっているのだ。俺の痛々しい『海賊王バイブル』が。

 我ながら、なんという黒歴史を作ったのかと思う。

 ちなみに海賊王バイブルは既に手元にない。たぶん自分で捨てたんだと思う。

 というかアレをそのまま捨てられる自分に驚きだ。今思い出すと、知らない場所で静かに俺の黒歴史が広まっていそうで恐ろしい。まあこれはもう10年以上も前の話だが。

 そしてこのままもう1つ、かなり恥ずかしい黒歴史を語るとしよう。

 それも内容は中学の卒業式。中学生活を締め括る大事な式での話である。


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 卒業式。パイプ椅子に座らせられ、授与式にて自分の番が来るのを私は待っていた。というかギリギリまで座ったまま寝ていた。起きたのはちょうど自分のクラスの番になった時のこと。危うく名前を連呼され、さらに卒業式後に呼び出しを受けるところだった。そうなっていたら、それが最大の黒歴史となっていたかもしれない。いや、これから語る黒歴史の方がやはり確実に上だ。なにせ私は大事な式の締め、校歌斉唱でやらかしてしまったのだから。

 簡潔に述べよう。私は中学の卒業式にてやらかした。

 私は校歌斉唱で歌詞を間違えたのだ。

 しかも直後に「あ、間違えた」と言ってしまった。

 当然、周囲にいた聞こえていた人間は笑いを堪えざるを得ない。

 うん、その気持ちはわかる。私だって間違いなく傍観者側なら爆笑したはずだ。

 だって歌詞を間違えたことなんてほぼバレないのに、自分から白状しているのだ。そんなやつ、笑わない方が難しい。というか発言そのものを笑いに変えてあげるのも優しさだと私は思う。だから歌詞を間違えて、笑われたことは別に恥ずかしいことではなかった。それだけなら、「あ‼ あの時、校歌間違えたな」で済む話だった。それなのに私はよりによってとんでもない場所で声を上げてしまったのだ。

 私が歌を歌っていた場所。それは当時、私が片想いをしていた女の子の隣だった。

 しかも小4の頃、彼女が転校して来てからの長い片想い。

 結局告白などは一切していないが、恐らく私は別の意味で彼女の記憶に刻み込まれたことだろう。


 中学の卒業式で歌詞を間違えたうえ、「あ、間違えた」と口にした男。


 なんだ、この初恋の終わり方?

 普通に悲しい終わり方じゃないですか?

 振られてはいないけど、変人扱いで終わる恋。

 仮に卒業式が終わった後に告白していたとしても、完全に『ごめんなさい』案件だったはずだ。我ながらなんて灰色な中学時代の幕引きだったのだろうか。ただただ青々しく苦い青春の一幕だった。

 ちなみに後日、通学のための電車でその女の子と1度だけ会話をしたが、その時は卒業式のことには触れないでくれた。その時は中学時代にはほとんど会話をしていなかったのに(私が照れてしまって上手く話せないため)、声を掛けてくれたことに驚いていたが。今思うとやっぱり優しい女の子だったんだと思う。


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 私の人生最大の黒歴史。どちらも甲乙つけたいがために、二つとも書かせていただいた。ちなみに私の黒歴史はこれ以外にも多数に存在する。例えば小学校時代、屁を出しそうになって『皆、耳を塞いで』と言っておならをしたら先生に怒られたこと。例えば保育園の頃、全裸で園内を駆け巡ったこと。……うん、今やったら普通に犯罪だな。そんな黒歴史よりも上の黒歴史が先に紹介した2つの黒歴史。片方はただただ痛々しく、もう片方は青春をぶち壊すほど苦々しくて恥ずかしい。そんな黒歴史たちの紹介だった。

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ただ痛々しい黒歴史と青春をぶち壊す苦々しい黒歴史 リアルソロプレイヤー @sirodog

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