予報

予報

今日は晴れ。晴れた日は明日の天気が気になる。今日、この後何も起こらない確証はないのに明日もこれが続くと期待してしまう。明日は何をしようか。

今日はくもり。低気圧が近づいているのを頭痛で感じた。明日は雨かと勘づいてしまい、天気予報を見るのをやめた。今日は早めに寝よう。

今日はまさかの雪。予想以上に冷え込んだらしい。私たちも予想以上に冷え込んだリビングの空気に今日の予定を狂わされた。今日はゆっくりお互い寄り添って暖をとろう。ガスヒーターの電源を入れると羨ましそうに真っ赤になった。

今日は晴れ。雪が子供に夢を与えている。

公園に行けば誰かが作った幸せの塊がふたつ重なっていた。そんな日を愛おしく思いながら、私たちは見えない幸せに独断と偏見を重ね合わせた。不細工だった。

明日はどんな天気だろうか、そんなことも気にする余裕がなくなった今年の一月

「もう諦めよう」そう思った。

あのとき暖をくれたガスヒーターは壊れもう触れても羨ましがらなくなった。あれだけ私に愛を伝えてくれたのにもう赤くも照れてもくれなくなった。

それから1ヶ月晴れが続き乾燥した生活を送っていた。私はリビングで一人ぼーっと部屋の角を見つめていた。変わらない光景、天気に

変わってしまったのは私だった。

まるで水槽から出ることができない魚になり部屋を見つめる。水槽から見た私の生活は狭くて歪んだ。

今日も天気は安定していて晴れているらしい。

今日も安定して飼い慣らした不安定は私を水槽の中ような生活に閉じ込めた。