赤潮の帳

ホンダの二輪CBR250Rに乗る真琴の親友、晶のいうセリフ

「安全運転を徹底するのも勇気なのよ」

ここに、本作のテーマ伏線のようなものが出ます。
散りばめられるモチーフに暗喩。

実は私も二輪の免許を持っています。八の字走行は転びまくって、しかも転ぶときにアクセルグリップを回してふかしてしまうものだから、ウィリー状態によくなっていました。

危険だと判断した教官は、私に延々と八の字走行を練習させました。

気持ちが先走るタイプなんでしょうね。
そんな真琴のベストパートナー的に晶は彼女を見守ってくれます。

「海なし県」に棲んでいる。という印象的な言葉が、淡い恋をした相手の横川君の口からでますが、夜の帳の中で光る夜光虫を美しくおもい、願うように憧れをもつのは、真琴ひとりではなく、

横川君も
横川君が好きだった彼女も
また晶も

全員が、光を探している。

それは唯一の光ではなく、まだ探している渦中のものなのだから、たとえ失っても、喪失の色は薄い。

薄い闇の中では、光を感じにくい。

青春のもつ、色合いが見事に表現された短編です。
ありがとうございました。