やりきれない〝今〟が、〝未来〟まで決める訳じゃない。希望のメッセージ。

 卒業シーズン(三月)という時期に描かれた、胸を切なく締め付け、なおかつ温かな想いが伝わってくるメッセージ。

 どうしようもない事情があって、やりきれない想いを抱えて歩んでいく〝君達〟の姿が、どうしてこんなにも眩く映るのか。
 それはきっと、その姿に〝希望〟を感じるから。
 それこそがきっと、この作品の伝えたいことであり、本質だと思うのです。

 緻密な文章表現・感情表現力によって、真実〝生きる人間〟を描写し、希望のメッセージを届けてくれる。
 何か〝やりきれない想い〟を抱えていたり、落ち込んでしまったり……そんな時、卒業シーズンの三月だけと言わず、いつでも読んでみて頂きたい、素晴らしい作品でした。

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