【黒歴史放出祭】エロ本 3

 そんな事件も忘れた高校3年生の冬。

 私は友達のD君と猥談をしていた。

 

 D君はウチの学校では珍しい彼女持ちの勝ち組野郎だった。付き合って1年。もちろん『経験』のあるD君の話は当時の私にはとても楽しく勉強になり、将来に必ず参考にしようと思っていた貴重な時間だった。

 

 そんなD君がその日

 

「いやぁ……しかし、最近マンネリだわぁ」

 

 とけしからんことを言い始めた。

 

「お前……彼女いるのにそんなこと……」 

 

「いやぁ……そうは言うけどなー……なんか刺激が欲しいんだよ。こう……なにか新しいなにかが! あー……3Pとかしてみてえなぁ」

 

「お前wwそこまでモテるわけじゃねえだろww」

 

「いやいや……別に男男女でもいいんだよ」

 

 そう言うとD君はチラリと私を見た。私は心臓がはねた。まさかD君は私を誘っているのか? 経験のない私はD君のその視線に期待と不安を覚えた。

 

 

「10P……とかさ。女一人の男9人みたいな?」

 

「ハハハいくらなんでも男多過ぎだろwww無理じゃね?」

 

「いやぁ……あったじゃん? お前んちに10Pやってる絵がさぁ」

 

 D君はいやらしく口角を上げニチャアと私を見て笑った。

 足が震えたのを覚えている。

 

 彼は! あの日私が描いたあの亜梨沙の事を言っているのだ! と瞬時に分かった。

 

「は、はあ? なに……そ、それ……」


 私はD君から離れた。

 そう……あの日、私は亜梨沙を破棄することなくベッドに下に隠していた。捨てた時に母親に見られることが怖かったのだ。


 私はD君から距離を取りそのまま卒業。以来、彼とは一度もあっていない。

 だが、いつか……彼がこの話をネタに私を脅してくるのではないかとずっと怯えていた。


 今日ここで黒歴史を放出、公開し、この黒歴史に終止符を打とうと思う。


どうか…私にみそぎセットを…



 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【黒歴史放出祭】エロ本 ナカナカカナ @nr1156

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ