セックスがしたい。
女性の皆さんからは、白眼視されるかもしれませんが、男としては大変切実な願いだったりします。
はた目から見たら滑稽に映ったり、必死で笑えたりするかもしれませんが、童貞にとってはまさに死活問題であり、生きる理由でもあります。
そんな中、目の前にチャンスが転がり込んでも、上手くつかめず去って行くチャンスをただ茫然と眺めていく虚しい経験が男には共感できるのではないでしょうか。
女性が心を許す瞬間は人によって違います。
例えば、夏目漱石先生の言葉だったり、膝の上に乗って甘えてきたり、両親のいない実家に呼んでくれたり。
僕たちは、そういう女性たちのお便りに正しく返事をしてこそ、セックスにありつける。
童貞の必死さは微笑ましくもあります。
ムードだったり、相手の仕草だったり、一瞬の隙を逃さずに女神の前髪を掴んでこそ男の本懐は成就する。
それまでに失ったチャンスを指折り数えながらも、男は女から目を離せない。
これが、男女の悲しき運命だなと、僕はこの作品を読んでいて思いました。
そして、16001回目のセックスは、手放してよかったと心から思います。
セックスは魔境。