【黒歴史放出祭】エロ本 2

 解決策を思い付いたのはマンガを読んでいる時だった。友人が私にあるマンガを貸してくれたのだ。

 それは、エロマンガだった。

 しかし当時の私はエロマンガを見下していた。


「イヤ……絵じゃん……」と。


 欲情が掻き立てられることもなく、ただボー……と、そのエロマンガを流し見していた。が、そこで突然思い付いてしまったのだ。

 

 そうだ! エロマンガだ!


 このマンガのように自分で新しい亜梨沙を描いてしまえばいいのだ。

 深夜のテンションも相まって私は寝そべった状態から飛び起き、机にかじりついて絵を……亜梨沙を描き始めた。

 私は手垢まみれのエロ本をお手本に稚拙な絵を必死に描き続けた。

 顔を描き、オッパイを描き……尻を描いた。

 が、そこで一つのことに気付く。

 コレはあくまでエロ本でありヌード画ではないのだ。

 となると……チ〇ポを描かなければならない。

 私の理想のシチュエーションを描く為には少なくとも8本のチ〇ポが必要だった。

 エロ本を見るとモザイクがかかっており見本として描くには向いていなかった。

 見本……見本か……あるにはある。

 私はズボンとパンツを脱ぎ捨て私の『私』を変身させると、机にまたがってチ〇ポを描き始めた。

 なるほどこうなっているのか。と新たな発見もあった。


 ここで誤解して欲しくないのは、これはあくまで思春期まっただ中の高校性だったから。もう一つは深夜ブーストせいで正常な判断力を失っていたからだ。普段の……今の私は決してこんなマネはしないということ……


 それが証拠に8本目のチ〇ポを描き終わると同時に私は正気に戻ってしまった。


「なにをやってるんだオレは……」


 深夜ブーストが切れ、下半身丸出しで机にまたがりチ〇ポを描いていた今の自分の状況に絶望した。

 亜梨沙の方も落ち着いて見ると酷い出来だった。描いている時はテンアゲで


「イケるんじゃね? これイケるんじゃね?」


 と必死に描いていた亜梨沙はほとんど怪物だった。

なんの奥行きもない胸と尻に欲情など出来るはずもなく、私の『私』は一気に萎み。この制作活動は幕を下ろした。


 

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