降り積もる記憶の数だけ──やがて来る惜別の時を、どう迎えるか。

或いは、こんな風景もかつては日常だったかもしれない。
自分では経験がなくても、見かけたことのある人は多いだろう。

「離さないで」と声をかけつつも、
どこかその時を期待している自分。
離したくない、離すわけにはいかないその手を
いずれ離さなければならない、親。

情の薄い人のほうが胸が傷まずに済むことを、
ずるいと思ったこともあったけれど

この痛みは、降り積もった記憶の数だけ
自分の心を支えてくれる
そう、信じたい。

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