降り積もる記憶の数だけ──やがて来る惜別の時を、どう迎えるか。
- ★★★ Excellent!!!
或いは、こんな風景もかつては日常だったかもしれない。
自分では経験がなくても、見かけたことのある人は多いだろう。
「離さないで」と声をかけつつも、
どこかその時を期待している自分。
離したくない、離すわけにはいかないその手を
いずれ離さなければならない、親。
情の薄い人のほうが胸が傷まずに済むことを、
ずるいと思ったこともあったけれど
この痛みは、降り積もった記憶の数だけ
自分の心を支えてくれる
そう、信じたい。