別心同体だった、かつての私たち

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（278文字）

　ふとした弾みで手が触れて、赤い糸が物理的に二人を結んだ。
　何よりも頑丈で、どんなことをしても切れない。常に二人はいっしょに生活することに……
　不思議であたたかな短編。

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　お題「はなさないで」の回収の仕方が美しい一作。
　かなり特殊な状況であるのだが、全体的に淡くふんわりとした雰囲気のもと、二人が穏やかに関係性を築いていく様が微笑ましい。
　周囲のキャラクターも含め、嫌味のない人達によるやさしい掛け合いが心に染み入る。

　肌寒さの残る春の夜、ぽかぽかしたい方へ。