カクコン特別審査員レポ

海月くらげ@書籍色々発売中!

第1話

 カクヨム運営様:「ボクと契約して特別審査員になってよ!」

 ワイ:「ヒャイ」


 ……そんなわけで第九回カクヨムコンの中間発表がされましたね!

 中間選考を突破した皆さま、特別審査員賞を受賞した皆さま、おめでとうございます!

 ワイくんこと海月くらげも現代ファンタジーの特別審査員として参加させていただきました。


 にしても特別審査員なんてものを任せられるとは人生何が起こるかわかりませんね。

 貴重な経験をさせていただきました……ありがとうございますカクヨム運営様(靴ペロ)(服従のポーズ)(お仕事ください)。


 とまあ、カクヨムの狗となったわけですが(?)今回は特別審査員を担当させていただいている間のことを書き綴っていければと思います。


 駄文かとは思いますが、よければどうぞ読んでいってください。



 ***



 1 僕の枠の特別審査員賞受賞作について


 まずは僕が選出させていただいた作品について紹介させてください。


 ―――


 タイトル:『ストロベリィ・チョコレヱト・カァニバル』

 作者:羅田 灯油(敬称略)

 https://kakuyomu.jp/works/16817330662781900989


 僕の中の現代ファンタジーとして揺るがない『異能バトル』を抜群の描写力と魅力的なキャラクターで描いた作品でした。病んだ心が体を超常的に作り替える奇病【エス】。それを狩る【ギロチン】。背広が似合う三十路の主人公と黒髪ロングセーラー服で刀使いのボクっ娘ヒロインが繰り広げるエピソードの数々。真相へと迫る展開は王道でありながら現代異能バトルと言えばこれ!という気持ちを満たしてくれる作品です!


 ―――


 改めて特別審査員賞の受賞、おめでとうございます!

 カクヨム運営公式さんからのレビューとして紹介文を送らせていただきました。


 僕の中の現代ファンタジーといえば異能バトル。そして伝奇風。言葉として並べるだけなら簡単ですが、この幻想を一つの物語として書き切るには相当な筆力が必要だと考えています。

 本作はその幻想を余すことなく描き切っていました。また、キャラクターも魅力的で、王道なストーリーを彩っていました。


 カクヨムコンの現代ファンタジーは選考レーベル的にライトノベルとして扱われる領域が広いです。僕はライトノベルで特に重要なのはキャラクターだと思っています。本作はそこが他候補の作品よりも強く、受賞の決め手となりました。



 2 僕の場合の選考基準について


 選考基準は審査員ごとに違います。あくまで僕の選考基準というだけです。


 ・選考規定の十万文字を期日までに達成している

 ・読者選考を通過しそうにない星、フォロー数の作品優先

 ・タイトル、キャッチコピー、あらすじ不問

 ・ランキングの流行は関係なし


 簡単に言えば上記の四点です。


 一点目。これは当たり前ですね。そもそも応募要項を満たしていてもらわないと……


 二点目。特別審査員賞の受賞作は星、フォロー数に関係なく読者選考を突破できます。なので、出来る限り読者選考ではカバーしきれない作品を拾い上げられたらいいなと考えて数字は見ないことにしました。


 三点目。タイトルなども正直あまり見ていません。検索をかけて上から下へローラーです。脳筋戦法とも言う。とりあえず読んで続きを読むかブラバかを決めました。


 四点目。流行も気にせず選びました。ランキングはダンジョン配信が席巻していましたね。僕も普段はほぼランキングか注目から読んでいるのですが、探してみると色んな作品があるんだなあ、となりました。



 3 特別審査員をやってみての感想(?)


 ここから先は完全に僕の感想です。読む人によってはチクチクと感じることがあるかもしれません(?)。また、特定の個人にあてた内容ではなく、選考全体を通しての感想です。自分のこと……? と思ってもバーナム効果(占いとかで使われるやつ)ですので……あっ! やめて! 石を投げないでっ!!


 まず、めちゃくちゃ数が多かったです。現代ファンタジーだけでも2000作くらいあったんじゃないですかね? でも規定の10万文字超えている作品に限定すると半分くらいになるのかな……? 

 で、色んな作品がありました。ランキングは半分以上をダンジョン配信が占めていた気がしますが、少し外れると異能バトルやら魔法少女やらがぼちぼちと……みたいな。どのくらいまで読者選考通るのかなあ、と眺めていました。


 そして特別審査員をやる以上、選考のために色々読むわけですよ。ランキング上から下も、新着も、検索で上から順に選ばず、とか。

 12月から2月の選考を終えるまでで合計で450万文字くらいは読みました。他の方がどれくらいなのかはわかりませんが……


 面白い作品はいくつもありました。結果、受賞作に辿り着きました。ただし、割合としてならランキングに載っている作品の方が面白いと感じることが多かったです。


 これは読まれる意識の差なのかな、と思いました。


 第九回カクヨムweb小説コンテストは『カクヨム』というプラットフォームで行われるコンテストです。読者選考を突破するのは星やフォローの数字を取った作品で、数字を取るには読者からの支持を得る必要があります。

 当たり前のことですが、ランキングに載るのが一番明確な読者選考を突破する道です。ではどんな作品がランキングに載るのか? それはランキングに載っている作品と類似した作品です。それが現代ファンタジーでは『ダンジョン配信』でした。

 ですが、流行を取り入れた作品を書いても絶対にランキングに入れるわけではありません。読者を呼び込むフックを作り、呼び込んだ読者を手放さない面白さがある作品がランキングに入り続けます。


 だったら流行から外れた作品がカクヨムコンという舞台では不利を背負うのも当たり前のことです。だからといって絶対に読者選考を突破できないのかと聞かれれば、そうではありませんが。

『ダンジョン配信』ではなくても読者選考を突破している作品はいくらでもあります。そういった作品は読者を呼び込む努力をしていたのだと思います。


 では、読者を呼び込む努力とは何か、という話に移ります。

 僕はタイトルあらすじキャッチコピー、そして本編の面白さだと考えています(カクヨムだとあらすじの重要性は他に比べると低いのかなと思いますが)。ただ、正直どういうのがいいの? と聞かれても僕は答えを返せません。むしろ僕が知りたいです。教えてカクヨム有識者!!!!!!!!!!!!!


 読者を呼び込む努力はSNSなどで仲のいい身内に呼びかけて星やフォローを集めることではありません。というか、そこまでしないと読者選考を突破できない作品が本選考で受賞できるとも思えません。(読み合うのが悪とは言っていませんよ!)


 ちなみに複垢は論外です。当然だね!


 カクヨムコンの読者選考を突破するには星やフォローの数字が必要です。その数字の量はジャンルや回によって違いますし、ユーザーからはおおよそでしか測れません。

 投稿される作品数が多いジャンルになればなるほど、ランキングに載ることがほぼ絶対条件になります。


 そういう都合上、今回僕が特別審査員賞として選出した作品のようなものが埋もれる可能性もあります。

 ……で、数字が取れていない作品の特徴を大きく分けると、


 ・流行に沿っていない

 ・読者への配慮が足りない

 ・Web小説という場への理解が足りない


 のどれかなのかな、と思いました。


 一番目の『流行に沿っていない』は説明している通り、ランキングを読む読者を取りにくくなります。


 二番目の『読者への配慮が足りない』は、要するに自己満足的な小説になっている場合がある、ということです。必要な情報が欠けていたり、頻繁に視点転換があったり、誰が主人公なのかわからなかったり……まあ、色々です。


 三番目の『Web小説という場への理解が足りない』は、作品を読者が最後まで読むわけではないことを理解していなさそう、ということです。お金を払って購入する書籍と違って、Web小説は無料です。読み始めるも、ブラバするも読者次第です。なので一巻(10万文字前後)としての面白さを前提として作った作品であっても、最後まで読まれるとは限りません。読者は面白ければ読み続け、詰まらなければ読みません。なので初めから最後まで、一話一話で面白く作ろうね! って感じです(伝われ!)。


 そこを追求したのがランキング作品だと思って貰えればいいのかな、と。

 少しでも読まれるようになりたいよ~! って人はとりあえずランキングの作品を上から下まで読んでみて構造を真似て書いてみたらいいと思います。

 こだわりがある人はそれでもいいけど、出す場所は選んだ方がいいと思います。Webと公募、それぞれに向いている作品があるので。


 それで言うと『ストロベリィ・チョコレヱト・カァニバル』は公募向きで、僕なら電撃さんかガガガさんに出すと思います。


 ……とまあ、長々書きましたが、この辺で終わりにしてもいいですか?

 ぱーっと書き散らしたので文章乱れてたり読みにくかったらごめんなさい。

 あとこれは僕の所感で絶対こうしろとかではないよ。

 だから参考にするもよし、ふーん……えっちじゃん、って聞き流すもよし。


 もし誰かの役に立ったのならよかったね、って感じです。


 質問あるよ! って人はコメントくれたら返すかもしれないし返さないかもしれません。感想返信苦手なんだ……すまねぇ…………。出来るだけ頑張ることを善処する所存に候です。


 というわけで、特別審査員のレポでした(:]ミ



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