劇場映画やテレビドラマなどで実際に脚本を手掛けている現役シナリオライター・高橋祐太さんの創作の日々を綴るエッセイです。
脚本家を志し、映像ドラマを中心に、これまで200本以上の作品を手掛けてきた高橋さん。しかし彼の創作活動は決して順風満帆ではありません。
企画やコンテストに何度も投稿して不採用を繰り返し、採用されたかと思えば不透明な撮影スケジュールに翻弄され、クライアントの一存でシナリオはコロコロと変更を余儀なくされる。そのくせ先方からは進捗報告をせっつかれる。終わらない原稿、見通しの立たない企画。プロの脚本家の過酷な現実が身につまされます。
それでもモチベーションを保つためにYouTubeで作業配信を始めて、ときに12時間以上も執筆し続ける集中力と忍耐力に圧倒されます。しかしそれだけ努力しても本人からしてみれば成果はダメダメで、落選続きというから報われません。
しかし高橋さんは何度落選しても諦めず、常に何かに応募している。落ちても別のところで受かるまでやる。「そうやって、これまで実現させてきた」という不屈の精神に脱帽です。いまプロを目指そうとしている方々に、高橋さんの創作にかける情熱やバイタリティをご覧いただきたい。
(「これが私の創作道」4選/文=愛咲優詩)