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概要
気付いても俺はアナタを手放す事が出来なかった。
中小企業勤めのサラリーマン・布目(ぬのめ)は平平凡凡とした毎日でも充実感を持って過ごしていた。
仕事は上手く定時で上がり、帰宅してからは程々にゲームに勤しむ。すっかり日々のルーティーンが出来上がっていた彼にとって苦手なものは「変化」そのものだった。
そんな彼が務める会社に、中途採用で事務員が入社してきた。
「梵(そよぎ)さくらです。即戦力になれるよう精一杯頑張ります。」
凛とした、妙に通りの良い澄んだ声色だった。――今思えば。頭で考えるより先にさくらの声に耳を傾けてしまった時点で俺は既に――
さくらは布目と視線がかち合うと、にこりと、地味な見た目にそぐわないほど妖艶に微笑んだ。
仕事は上手く定時で上がり、帰宅してからは程々にゲームに勤しむ。すっかり日々のルーティーンが出来上がっていた彼にとって苦手なものは「変化」そのものだった。
そんな彼が務める会社に、中途採用で事務員が入社してきた。
「梵(そよぎ)さくらです。即戦力になれるよう精一杯頑張ります。」
凛とした、妙に通りの良い澄んだ声色だった。――今思えば。頭で考えるより先にさくらの声に耳を傾けてしまった時点で俺は既に――
さくらは布目と視線がかち合うと、にこりと、地味な見た目にそぐわないほど妖艶に微笑んだ。
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