第12話 『最終回』

アダマンチュラは即座に龍の願いを叶えた。

神殿の地下に油と脂を大量に捨てて、、、外に出て炎を灯した。

ブォっと燃えてたちまち炎が広がっていく。神殿が燃える様子は絵画のようだ。


アザレアは泣いていた。事情を教えてあげてなんとか納得しようとしたが、うん!うん!とうなづくばかりで身体は落ち着かず泣き止まないらしい。

「わかってた!親だけど親じゃないって!あなたたちのためだった!我慢する!」

アザレアは実験室では泣かなかったのに。ーーそりゃそうだ。親が殺される風景だ今起きているのは、、、。


凍結した人間は意志があるかないかわからないままで燃やす決断をしたらしい。アダマンチュラらしい選択だ。。


こうして本当に龍退治は終わりを迎えた。同情も探すこともしたくない。オレは項垂れていた。両親はあの時死んだんだ。別れを我慢できるのはアザレアがいてくれるからだろか。


〜〜〜数日後ーー



「アダマンチュラお嬢様、また経歴を増やしたそうよ。なんでも凍結防止のために全部神殿ごと燃やしたって噂よ!」

「うわー、、、あんなに偉そうだと誰も逆らえないよな。見た目で得してるって感じ。。。」

「いいじゃない、、、どうやら秘密だけれど龍を退治するためにやむを得ない行動だったらしいわ。カッコいいと言うか、、、自分の手を汚してこそじゃない彼女!」

「ちょっと、、、龍?!何それ!!ゴールドマリー様のご両親が退治したっていうあれ?」


ざわざわざわざわ。

王国内はアダマンチュラが実験功績を挙げた上に凍結対策も完全にしたと噂で持ちきりだった。

王国は盛大に盛り上がる祭典を儀式的に行った。

もちろん凍結した人間は戻ってこないが、、、凍結はもうおさらば。

“みなさん!悲しみを抱えて超えて生きていこう!“。

誰かがスピーチで言っていた。俺は賛同出来なかった。でもその通りなんだろう。かなしみを超えないと生きていけない。


俺はアザレアの存在がいつのまにか大切な心の支えになっていた。



『アザレアと暮らそうと思う』


リヨン達やハーベットも相談に乗ってくれて良い方向だと受け取ってくれた。


「リヨン兄さんも王国に相談してくれるって!アンタが騎士志望したら良いって条件で。」

リヨンの妹とハルがそう言ってくれるがまだ学生の身分だ。ジョークだろう。

しかしながらハーベットは軽く忠告なのかどうか、、、宣う。

「そのためには王国に頼まれたことをしたアダマンチュラに借りをつくることになる。」、と。

確かに突然勇者の子として有名な俺の名前だ。口実が必要だろう。


「アダマンチュラ、、、一つお願いがある。アザレアを養子縁組としてオレの親戚にしてくれるよう国王権群に頼ってくれないか?」「捨て子を拾ったという程で、、、無茶頼んで悪い。。」

ちょっとだけ不満げで悲しそうな顔をしたアダマンチュラはそうしておく。。といって約束を守ってくれた。

アダマンチュラとはそれっきり会うことはなかった。



fin.


ーーレガート王国物語。王宮道化師兼暗殺者ハーベット伝へ。

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レガート王国物語ーー第三幕『勇者の子供.ゴールドマリーの華』 aviane @LiLiaviane1987

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