第5話 相互ヤンデレにおける衝動の応酬と真実の愛

「ず、ずっと前から好きでした!付き合ってください!」

「うん。知ってる。」

「え!ウソ!やったあ!」

「そりゃね。100日連続ドアの向こうから2回拍手の音聞こえてきたら流石に察するよ。」

「あれ、聞いててくれたんだあ……♡」

「何なら必死に頭下げて礼してるところも見えたよ。」

「えへへ……ありがとうございます……。」

「ところで毎日置いてくれたこれ。マジで何も食ってなくて腹減ってたしすげー助かったよ~。大変だったでしょ?わざわざ100人分の人間の舌集めるの」

「お会いするのに供え物が必要と聞きましたので!私!貴方の事なら何でも知ってるんです!」

「じゃあちょっとクイズしてみてもいい?」

「もちろん!」

「じゃあ第一問。人間時代の俺のこと嵌めてこんな山奥に遺棄したあげく自分はこの土地の有力者として今でものさばってるクソ野郎はだーれだ。」

「すいませんいきなり問題訂正させてください!あの家こないだの火事で一族皆真っ黒こげになっちゃいました!」

「……マッジで!?うわ最高!あ、ちなみに……もしかして……?」

「はい!なんか山の再開発とかニュースで見ちゃったんで!ネットで知り合った環境活動家さん焚き付けて、やっちゃいました☆」

「すげぇ。想像以上かもしれんこの子……。じゃあ第二問!俺が一番嫌いなものは?」

「これは簡単です!『人間』ですよね?」

「まぁここは大正解してくれなきゃ困るね!……ちなみに君、見た目の割にあのゲロみたいな人くさい匂いがしないけど……。」

「あ、なんかここに毎日通ってたら折り返しみたいなところで大きい動物さんに頭ガンってやられちゃいました。でも、貴方に会いたくて逢いたくて合いたくてあいたくて!!ばらけそうな自分を周りの黒いので繋いで何とか100日やり遂げました!そしたら顔出してくれて……。今しあわせのあまり気絶しちゃいそう……。」

「気絶する前に最後の問題言ってもいい?あ!その前に鼻血舐めさせて!」

「勿論です!さあ!」

「わーいありがと!(^ω^)ペロペロ(うっわガチでそこら辺の怨霊全部取り込んじゃってるよこの子……よく自分維持できるなあ……。)」

「うふふ……くすぐったい……♡」

「(……忌み子だなんて言われて、こんな山奥に縛り付けられて。なのに俺のことだけ見てくれて……。)」

「えへへ……キスはもうちょっとお預け……。」

「(嗚呼、でもこんな子はたまにいた。でも、みんな最後の質問でいなくなったなぁ。まぁいいや。久々にいい夢見れたし。そろそろ)」

「あっ……そんなに強く抱き寄せられたら、いやっん♡」

「それじゃあ最後の質問、いい?」

「ふぁ、ふぁあい♡」

「……俺のこと『ホント』に、全部知ってる?」

「……当然じゃないですか。貴方は、ワタシだけの、くろいかみさま。」

「!?」

「この山に初めて来て、夜闇を肺に回したときから分かってたんです。全部、ワタシ中に元々あって、湧き上がって増えていったくろいものの仕業。貴方について知っていることも、全部。ワタシの中から生まれたもの。」

「あ……そんな……俺の……正体まで……。」

「でも!そんな貴方をワタシは!心の底から好きになってしまったんです!それこそ何人屍を積み上げてもいい位に!ワタシ自身が壊れても構わないぐらいに!だから……だから!」

「わかった。全部分かったよ。君の事。」

「……え?」

「……ずっと君みたいな子に、なまえつけてもらえるの、まってたんだ。おれ。」

「きみにみつけてもらえるの、まってたんだ。」

「……それはワタシの方こそ。貴方があの日、ワタシの中に入り込んで、ワタシになってくれたから。ワタシは自分に気が付けた。」

「……えいえんにいっしょに、いてくれる?」

「ええ!もちろん!でも、ひとつだけ。」

「なあに?」


「ワタシ、頭下げた礼は、一回もやってないよ?手を合わせて祈ってただけ。」

「ねぇ?ワタシとあいしあうなら?ぜったいうそつかないで?」

「でないとあなたのした、たべちゃうから。」


「じゃあ、おれからも。」

「おあずけとかいわないでくれる?めのまえのえさがまんするのがいちばんきらいだから」

「いますぐきみのぜんぶをくいつくしてそれでもまだのこてから、あいしてるとかのたまってくれる?」


「うふふふふふふふふふふふふふふ」

「あはははははははははははははは」



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会話における彼岸との交流と顛末 世語 函式 @ygtrbyroot

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