リアリティのあるテーマを盛り込んだ骨太の作品

 人類が宇宙進出を果たした未来を舞台に、地球と植民星の対立を描いたSF小説です。

 植民星側の不満が高まり、地球からの自治権要求を経て、ついに戦争に至るまでの経緯が丁寧に描かれています。特に、ゼリオンのカルロス アーノルド氏が反地球同盟の代表となり、武力ではなく補給断絶作戦で地球を屈服させたくだりは印象的でした。

 SF設定を背景としつつ、国家間の政治的駆け引きや戦略、そして戦争の悲惨さなど、リアリティのあるテーマを盛り込んだ骨太の作品だと感じました。今後、この戦争後の世界で、人々がどのように生きていくのか、続きが楽しみです。

 読みやすく、世界観にも引き込まれました。設定や舞台が明確なので、これからの展開もわかりやすく追えそうです。宇宙を舞台にしたスペースオペラとしても十分に楽しめる作品だと思います。

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