最終章
「なぁ 9月になったら 帰ろうなぁー」
「えぇー 面倒だよ 帰る理由がない」
「だって おばさんも待っているよー きっと」
「だからー マオのことを待っているんだって!」
「そんなことないよ イオに会いたいに決まってるヤン」
「そー言うなら マオ ひとりで帰れよ」
「あかんって あのねー 帰る前に寄ろうと思って 泊まるとこ予約したんよ」
「うっ なんや それ!」
「うん 近江八幡の琵琶湖見えるとこ 夏休み明けやったから空いててん 行こうよー ええやろー?」
「まぁ しゃーぁないな」
当日 駅で待ち合わせをして、彼の方が先に着いたみたいで
「おはよう イオ」
「・・・・・あっ あぁー」
「なんだ どうしたのよー」
「いや マオ ・・・ 遠くからでも際立つよ 俺の彼女はこんなに可愛いのかって」
「そーですよ 君の彼女は抜群ですからねー 手離したら駄目ですよっ あっ でも これっ! インパン付きですよー ご心配無く」
「なんだ それっ! 総菜パンか?」
「バカかぁー おっさんなんかー」
この日 私は、スカイブルーのキャップに白のカッターシャツとベルトが付いたチャコールグレーのタイトなミニスカートとブルーのラインが入ったハイソックスで、スポーツバッグを下げて、それでも確かに目立つと自分でも思っていた。駅でも何人かの視線を感じていた。
ひかりで米原乗り換えで在来線で近江八幡に着いて、軽く昼食をとって、直ぐに宿舎に向かった。ホテルの前は琵琶湖で砂浜もあるので泳げるからだ。私は姉ちゃんにお古の水着を送ってもらっていたのだけど、黄色い花柄のビキニで胸なんかの大きさも違ったりしたのでTシャツと短パンを穿いて誤魔化そうと思っていた。チェックインは3時からなのでそれまでの間。水辺ではまだまだ家族連れなんかが遊んでいて、私達も浸かって行ったけど、私 伊織利さんと泳ぐって初めてなんだ。
「なんだ マオ その下 ビキニなんだろう? 隠すのか?」
「うぅん ちゃうよ 姉ちゃんに貰ったんだけど・・・こんなの派手やしー ちょっと大きいネン まぁ ええやんかー マオの裸なんて いっつも見てるやろーぅ」
「だけど なんかそーいうのも 色っぽいかなってー」
そんなの夜になったらね 楽しみにしていてー と、私は今夜のこと 改めて決心してここにきているのだ。それでも、水の中でたっぷりとじゃれあった後、大浴場に行って、夕食は近江牛とかお刺身がたっぷりあって、普段の私達には贅沢すぎるぐらいで満腹になったのだ。夕食の後は、時間を持て余してTVを見ていたのだけど、突然イオはもう一度お風呂に行くと言い出して、誘われたけど、私は部屋の風呂に入ると断っていたのだ。
私は、最近買ったフリフリの白いリボンが付いたショーツに花柄のサテン生地のスリップの上から浴衣を羽織って待っていると、彼は帰って来て、もう一度缶ビールを開けて飲み出していた。
「もぉー また 飲むの?」
「あぁ いつものことだよー」
「今夜は いつもと違うよ 特別な日なの」と、私は、着ていた浴衣を脱いで彼の前に・・・
「マオ・・・ 色っぽすぎる 刺激的」
「イオと繋がりたい マオの全て あなたのものにしてー」と、彼の膝に横座りしていって、唇をせがんでいった。
その後、ベッドに抱えられて行って、彼は私の身体を丁寧に愛撫してくれていて、私は喘ぎ声が止まらなかったけど、感激に我慢できなくって「イオ もおぅ 早くぅ」と・・・もう 充分すぎるくらいに潤っていたのだ。
全てのものを脱がされて、愛撫された後 私は彼を自分の中に感じたとき「うぅー」と、顔が歪んでいたのだろう
「大丈夫か? 痛いのか?」
「うぅ~ン 幸せ感じているの 平気だよ 途中でやめたら嫌ヤン 構めへんから続けてーぇ」
彼が果てた後、私は全身が痺れるような感覚で頭が真っ白になって 彼にしがみついていて、・・・「イオ 掴まえていてー 連れて行かれるぅー」
その時 私は見たのだ 大蛇が立ち昇っていて そのうち 糸姫様の姿になって・・・「真織 幸せになるのよ」って 微笑んで・・・その姿が消え去って・・・
そのまま私達は眠ってしまったんだけど、朝になってイオがモソモソしていて
「イ・・オ・・・ また するん?」
「うん したい」
彼のものが入ってきた時、私はよっぽど痛そうだったのか、彼が「痛いのか?」と、気を使ってくれて「うん 昨日より 大きくなってない?」「朝だから 元気なんだよ でも やめておくネ 傷ついたら 大変だし これからは ゆっくりできるしなー」 私は、イオの胸を叩くようにして、で・・・お互いの身体を愛撫するだけだったけど、それだけで、私は全身で幸せを受け留めていたのだ。
その日は、バスで八幡堀辺りにお昼前に着いて、私達は鯖寿司を買ってロープウェイで八幡山に登って山頂で食べることにした。展望台では、琵琶湖が見渡せて、遠くは霞んでいたけど比叡山も見えて
「あそこは 堅田とか舞子辺りかなー 北の方は見えてないんだよねー」
「だなー 真織 ・・・ とびっきりの美人で可愛いし、頭が良くって 俺にはもったいない でも 俺の嫁さんになってくれ まだ、就職先がどこになるかもわからないが 付いてきてくれるかい?」
「イオ ありがとう やっと はっきり 言ってくれたネ もちろん マオはどこまでも付いていきます よろしくお願いします」私 涙が出ていたかも・・・。
「ふふっ 皆からはな いつも 言われていた 羨ましいって あんな子を手に入れたなんてって こっちこそ お願いしますだよ」
その後、家に帰って、お母さんは私の姿を見て、抱きしめて泣いていたのだ。元気そうで良かったと安心していたのだ。次の日は伊織利さんの家でバーベキューをするからとお母さんと二人で呼ばれていた。
「おばさん お母さん 俺達 結婚の約束をした まだ 就職も決まって無くて 生意気だけど マオはどこまでも付いてきてくれると言ってくれた それに、経済的には 苦労掛けるかも知れないけど 頑張るよ マオが卒業したら 少なくとも 一緒に暮らすつもりなんです」
「伊織利君 ありがとう マオを大切にしてね 愛してネ この子はお金の無いのなんて 平気だから・・・ とっても 良い子なんだよ 私が言うのも変だけどー 私が男だったら 絶対にお嫁さんにするわ でも 先輩の息子さんが相手じゃぁ しょうがないわねー」
「あらぁー 慶ちゃん 変じゃぁ無いわよー 私が保証する 真織ちゃんは とっても良い子よー 伊織利もでかした 慶ちゃん 残念でしょうけど 真織ちゃんは私の娘になるんだからねー でも、慶ちゃんには まだ 織藻ちゃんも居るでしょ」
「どうしてぇー あの子は・・・私には 真織が・・・」
と、その後も二人で 結婚式はどんなのにするとかまで 言い合っていたのだ。私は、伊織利さんがお母さん達の前でもはっきりと言ってくれたので、幸せを感じていたし、糸姫様も私達を結び付けてくれたと感謝していたのだ。
Continue being happy
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー すんのはじめ @sunno
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