日常の中に潜む普遍を照らす珠玉の一冊

 この作品は、作者・無名の人 様の多彩な視点と知性が際立つ珠玉のエッセイ集です。一見身近でありふれたテーマを掘り下げ、そこに潜む普遍的な問いや、時代の課題を浮かび上がらせる手法に感服いたしました。

 「右と左」では、思想的偏りの滑稽さと平凡の価値が温かみをもって描かれ、「inclusive と exclusive」では、多角的視野から社会的包摂を問う姿勢に感嘆しました。また、「白と黒」では、当事者参加のルール作りという現代的課題をシンプルかつ鋭く提起。「分化」や「極人と超人」では、宇宙や生命の壮大な流れを背景に、人間の可能性と再挑戦の意義が深く語られます。さらに、「アイデンティティ」では、個人の歩みに込められた夢と葛藤が、柔らかく親しみやすい趣向で伝わってきます。

 読み終えた後、私たち読者に知識欲と未来への希望が自然と湧き上がり、日々の自分の在り方を問い直すきっかけを与えてくれることでしょう。

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