たのんだぞ、タカシ

　タカシは生まれつき強度の弱視で、分厚いメガネをしていても日常生活に支障があった。けれど、同じ団地に住む幼馴染と遊ぶ時には、飼い犬のチロが盲導犬代わりになることで、視覚障がいを感じることなく楽しい毎日を送っていた。小学校は団地の友だちと同じ公立の小学校に入学をする。しかし優れた運動能力も持っているのに、視覚に障がいがあって危険だという理由で、タカシは体育の時間も見学しなければならず、運動会にも参加することができなかった。
　六年生の運動会で、クラス対抗１０００メートル走の代表選手に選ばれたタカシ。愛犬のチロの伴走で走ることになった。果たしてタカシは運動会でどんな走りをするのか、そして結果はどうだったのか。