宗教とは

人は辛い時に何かにすがりたくなる。

その代表例が宗教だ。

宗教とは、人間の力や

自然の力を超えた存在への信仰を主体とする

思想体系、観念体系である。


人間生活と宗教は切り離せない関係にある。

人間は一人ひとり思考が異なるので

多くなればなる程に意見が合わなくなる。

そこで皆が同じ思想を持つことで

協力することが出来る。

また、物事の是非の決定権を神に委ねる。

そうして宗教が出来るのだ。

アメリカのコストコで、聖書を

「フィクション」の本棚に分類したところ

批判の声があり謝罪した、という

出来事があったらしい。

聖書がフィクションか事実なのかは

不問に付しておこう。


宗教にはメリットとデメリットがある。


メリットは最初に述べた通り、

人がすがることが出来る助け舟のような

存在であることだ。

現世での生活が辛くてたまらない時に、

人は現世での、あるいは死後の世界での

救いを宗教に求めたりする

(ニーチェはこれをルサンチマンに

よるものだと批判したが)。

また、同じ信仰を持つ者同士での

交流などが生まれることも利点と言えるだろう。


デメリットは、違う宗教間での争いが

発生したりすることだ。

例えば世界史を勉強すると、エルサレムを

取ろうとして起こった十字軍の遠征などがある。

また、同じ宗教間での争いも起こったりする。

カトリックの免罪符販売に抗議して

プロテスタントが出来たことのような

ものがその例だ。

加えて、宗教の内容が時代錯誤だったり、

解釈の仕方を誤ったりする。

前者ならキリスト教の同性愛への反対、

後者ならムスリムのテロリズムなどが

それにあたるだろう。


ところで、あなたが信じる宗教は何だろう。

色々なものが挙がってくるだろうが、

日本人なら「無宗教」だという意見も

出てくることが多いかもしれない。

NHKが2018年に行った調査によると、

62%の人が「信仰している宗教はない」

と答えていた。

また、政治は宗教から離れるべきであるという

政教分離原則があるだろう。


しかし私は、完璧な無宗教は

ありえないと思う。


まずはじめに、政治に宗教は

少なからず結びつく。

私はなにも〇〇学会がああだとか

極端な例を出すつもりはない。

例えば民主主義(デモクラシー)は

古代ギリシャ語のデモクラティア(demokratia)で「民衆の支配」を意味する。

この頃はギリシャ神話で人々が

結びついていたが、今の日本では

神道の「八百万の神々」の思想が

結びついているだろう。

日本人はクリスマスを祝ったかと思えば

10日もせずにお正月が来ると神社へ行く。

私は無宗教論者だという人でも

何か悪いことをすると罰が当たると思ったり

神社では荘厳な雰囲気を感じたりするかもしれない。

また、資本主義も宗教からなる。

宗教改革を行ったカルヴァンの予定説、

日本で言うと石田梅岩の石門心学が

資本主義を肯定している。

このように政治も少なからず宗教と結びつく。


また、科学技術が凄まじく進んでいくが、

科学技術への盲信も一種の宗教と

言えるかもしれない。

「カルト宗教とかをはじめ、宗教を

信じたりお化けはいると思ったりするのは

愚かしい。そんなの非科学的だ。」

という人も、科学という宗教の

信仰者だと私は考える。


私が伝えたいのは、宗教は悪いものではない。

また、人間には自分で自分の宗教を決める

自由があるべきだと思う。

私達が抱いたりする死などへの恐怖をはじめ、

宗教が様々な苦しみから守ってくれたりする。

私の身近な例だと、もうすぐ受験なので

神頼みをしているところだ笑

カルト宗教を揶揄したりする人もいるが、

歴史ある宗教も昔はカルト宗教だった。

cultが歴史を重ねるにつれ、

神道のようなcultureになっていくのだ。


あなたは宗教についてどう思うだろうか。

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死にたがりの哲学手帳 オオヒラカエデ @airisu1212

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