単なる生命活動をさす「生きる」なら、呼吸していて心臓が鼓動を打っていれば「生きている」ということになるだろう。
けれど「人間として」生きているとはどういうことかと言うと「苦痛」や「喜び」を感じて「心を動かしている状態」を指すのではないかと思う。
「苦痛」も「喜び」も自分一人ではうまれない。
人との関わりの中でうまれるものだ。
少なくとも私はそう思う。
「生まれる」から苦痛や喜びがあるのではなく「社会の中で人間関係を築いていく過程で苦痛や喜びがうまれる」つまり「苦痛を避けるためには産まない方がいい」というのは間違っていると個人的には思う。
産まれても、周囲の人間とコミュニケーションがきちんと取れて助け合うことができれば多少の苦痛はあっても喜びの方が大きいだろう。
「生まれる」とか「生まれない」ではない。
この世の誰もが差別もせず、いじめもしない、道徳的に優れた人間ばかりならばなにも問題はないのだ。
生命そのものは尊く美しい。
産まれるということ何物にも代えがたい奇跡だ。
人間がテクノロジーだけを進化させ、いつまで経っても愚かな争いを繰り広げ、弱い人々を虐げる生き物であるという事実がこの世を地獄にしている。
人間がテクノロジーと同じだけ人間性も進化させていれば、この世を天国にすることも可能だっただろうに。
そんなことを考えさせられる作品でした。
多くの人に読まれ、考えるきっかけとなるようレビューを残させてもらいました。
長文失礼いたしました。