第26話 VSシュタークスライムその2
スライムの酸液が石に掛かり、ジュワッという音と共に液状へと変化していく。
「せめて後10ダメージは削りたかったが、もうまともに投石を喰らっちゃくれねぇよな。、、、まじでどうやって倒せばいいんだよ。」
軽い諦めが口から漏れ出てくる。
そもそもここで倒す必要はあんのか?
別にこいつから逃げたところで誰かが死ぬわけじゃねぇし、素早さはこっちの方が勝っている。
これまでも自分が勝てねぇと思った敵はなるべく避けて来たんだし。
街まで逃げ切れれば他の冒険者やフモアーさんが助けてくれるはずだ。
なにも危険を犯して今ここで討伐する必要は無いじゃないか。
そうだ
そうだよ。
これは戦略的撤退だ。
再び飛びかかってくるスライムを横飛で交わしながら追撃される可能性も踏まえてさらに交代する。
そこに酸液を飛ばして来たため更に後ろ飛びで交わして思考を続ける。
でも、、、仮に逃げ切れなかった場合、、、そう、あいつに背中を向けたら突進や水撃、ウォーターボールなんかを撃たれちまったら俺は対処の仕様がない。
そうしたらこいつはレベルが上がって他の冒険者が対処しづらくなる。
更に俺みてぇな駆け出しの冒険者が餌食になっちまうかもしれねぇ。
それに俺はガランのステータスや他の冒険者のステータスを確認してねぇから街に戻っても何とかなるとは限らねぇんだ。
、、、やっぱりここで逃げる訳にはいかねぇ。
今まで考えていた邪念を払い、シュタークスライムへと本当の意味で向き合う。
最悪逃げればいいなんて思考は行動を鈍らせちまう。
そんなんじゃ勝てる戦いでもきっと勝てないだろう
今一度覚悟を決めスライムへ「連撃」を繰り出す
現在連撃のスキルレベルは1の為2連撃目までしか補正が乗らないという事を考え、2回ぶっ叩いて1歩後退する。
そこへスライムは酸液を吐き出してくるのだが、幸いにもこの攻撃は見慣れてしまった為、簡単に避けることができた。
ただ、スライムの狙いは気を逸らすことらしく、そのまま俺に突進してきた。
やっべぇ、滅茶苦茶攻撃が重い!!!
杖を挟んだ攻撃の筈なのに、直接ぶん殴られたような衝撃が体に走る。
生命力14/21
こんなハイリスクローリターンな戦い方してたらあっという間に殺されちまうな、、。
もっと攻撃する頻度を高くして、スライムに攻撃する暇を与えないようにしねぇと、、、
スライムの元へと走り、2連撃を繰り出す。
そしてもう一度連撃を繰り出そうと踏み出した時、スライムの聖神力が高まったのを感じた。
これは、、水撃かウォーターボールが来るな。
不確定要素が多い分、こればっかりは受けに回るしかねぇよな、、
スライムから距離を取り迎撃する体勢を整える。
どんな攻撃が来てもいいように目に全集中力を注ぎ、スキルが発動するのを待つ。
しかし俺の予想は外れ、スライムがスキルを使うことはなく、そのまま液状化して地面と一体化した。
まじかよ!?まさか液状化のスキルを使われるとは思ってなかったな。
しかしなんでいきなり液状化なんて使ったんだ?明らかに戦況的にこっちが不利だし、聖神力の無駄使いだと思うが、、、!?
俺の頭上を何者かが凄まじい速度で通ったのを感じたのと同時に目の前で凄まじい爆音が発せられる。
スライム一匹でさえ厄介なのに、あんなスピードの魔物が出たらたまったもんじゃねぇ、と咄嗟の判断で俺は逃げる体勢を取りながら鑑定を発動することにした。
しかし、ステータスを見た瞬間、逃げることを辞めた。
そこにいたのは
種族:ヒューマン(ラナリア)
名前ガラン
Lv43
生命力380
聖神力55
攻撃力202
防御力173
魔法力20
素早さ126
運10
スキル
剣術Lv3 斬り上げLv2 衝撃波Lv3 先迅Lv2 重撃Lv2 重剛剣Lv1 薙ぎ払いLv2 連撃Lv2 カウンターLv3 牽制Lv2 体当たりLv2 暗視Lv2 威圧Lv1 体術Lv2 槍術Lv,1 ポテス=パワーLv2
耐性スキル
状態異常耐性Lv1 物理魔法耐性Lv1 恐怖耐性Lv1
称号
立ち向かう者 道義心
強力な助っ人だった。
素寒貧なステータスで異世界転生 ねる @nerbahamuru
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