嫉妬するものこそ美しい

嫉妬するものは醜い。果たして、そうだろうか。

大学生の神宮寺は同じ大学に通う美貌の男子学生、柚莉に恋焦がれていた。そこへ、見知らぬ男、青龍寺が現れ、柚莉に接近する。
自分は今まで苦労して柚莉に近づいたのだ。それを横から攫うような真似は許せない。
神宮寺はついに行動を起こす。その陰には、彼の欲望を掻き立てる幼馴染、雪竹の姿があった……。

作者の豊かな筆致によって描かれる、恋に焦がれ、嫉妬心に悶える男の姿。嫉妬に燃える主人公の姿はどこか美を感じさせ、それが破滅に続く恋であることと予感させながらも、ときめきと憤りを共感させる。
クリスマス前夜を彩る耽美なラブストーリーであり、その愛を凍り付かせる怪奇譚。