第5話 朝の一幕

 翌朝、皆さんが起きるより前に三つ指ついて待機しているとテントからセンジが1番はじめに起きてきました。

「おはようございます。付近に敵影はありません、いってらっしゃいませ」


 そういってお見送りするとおう、朝飯用意しとけよ。と言い残して少し離れた場所へ素振りの鍛錬に向かわれました。

次に起きてくるのはリーダー。

「おはようアリア」

「おはようございます。付近に敵影はありません。いってらっしゃいませ」


 リーダーはちゃんと挨拶をしてくださるのですが、私を見る目が気持ち悪い。

 なんというか…。こう、家畜を見る目、と言いますか。はっ!もしや死んだら出汁にでも使おうとしている…?

 驚愕の事実にブルルッと身を震わせていると、マジさんが起きてきました。

「おはようございます。付近に敵え「コーヒー」…はい」

 この人私が話してる時に自分の要求を食い気味に、しかも小声で一言だけしか言わないんですよね…。魔法使ってる時はめっちゃ声出す癖に…。

「……お待たせいたしました、コーヒーです。お砂糖はいつもの杯数入っております」

「ん」

私が差し出したカップを受け取ると、彼はそそくさとテントに戻っていった。

きっと彼の日課の読書を楽しむのでしょう。


ちなみにヒーラ様は朝が弱く、寝起きがすこぶる悪い。

一回無理矢理起こしに言ったら無詠唱で攻撃魔法が乱れ撃ちで飛んできました。

それからは起きてくるまでそっとしておくことにしています。


――――――――――――


……本当の本当に余談ですが、私は一度各員と相部屋になった事があります。

まだその頃肉付きがマシだったせいか男性陣から性的に襲われそうになったため寝ているときに私に手を出そうとすると自動で睡眠魔法スリープが掛かる術式を展開するようになりました。


――――――――――――



 そうして各々が朝のルーティンを終えたのち朝食を食べた後にヒーラ様が起きてこられたので、お世話をしていました。

そうしたら待ちきれなかった他の方々に置いて行かれていたので、ヒーラ様をお姫様抱っこして彼らの後を追いました。


ヒーラ様の目が若干潤んでいて、頬が上気している気がするのは気のせいです気のせい。もしかしたら熱があるのかもしれません。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る