追放された勇者

mekia

第1部 勇者追放編

序章 追放編

第1話 アリア

 初めましてアリアです。

 探索者ギルドに所属しています。

 ジョブは『勇者』ブレイバーですが、でも対外的には『魔法戦士』ルーンフェンサーという事にしています。

 どうしてって…じゃ何処に行ってもパーティに入れませんでしたから。

 結局Cランクパーティの雑用係として雑用を無報酬でやらされてるので一概にいいとは思いませんがそれでもです。


 さっき言ったCランクパーティの方達の荷物持ち兼雑用係として今日は普段拠点としてる街とは別の街にクエストにきています。


 宿にチェックインするなり彼らは私を置いてさっさと私が受け取った鍵で自分の宛がわれた部屋に入っていってしまいました。

 きっと宿の人からは下女か何かだと思われてるのでは…?

 確かに髪もぼさぼさで前髪で目は隠れ服は泥だらけで汚らしいですし、一応腰に剣は佩いているものの背中には溢れんばかりの大荷物を背負っているので、まず探索者だとは思われないと思いますね。

私を見たとき、女将さんと旦那さんなんか荷物に対する驚きとまるで未知の生き物を見たかのような目でしたから。

 それはまぁよくてですね。

 部屋の前で各人に荷物を渡したところで私は自分の部屋の鍵がない事に気づきました。


「あの、リーダー。私はどこで寝ればいいのでしょうか?」


念の為リーダーに尋ねてみますと―


「ん?あっ…あー…」

 ……これは私のことは最初から頭に入ってなかったと見た方が良さそうですね。


「リーダー、大丈夫です。ギルドの方で場所を貸していただけないか聞いてきます」

 こんないい宿に万年Gランクの私が泊まれるはずがありませんでしたね。


「いつもすまんな」

 おや?今日はリーダーの機嫌が良いようです。





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