第4-2話 センジの撃退法
「ほーう?朝帰りとはいい度胸だなぁ?アバズレ」
そう言って階段の頂点にニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべつつ腕を組んでたっているセンジ。
(ああ、遅かった……)
私は諦めに似た気持ちを抱きつつ天を仰ぎます。
そしてせめてもの誠意として階段の一番下から土下座での謝罪を敢行します。
「すみませんでしたっ!!!!!
ギルドの野営スペースに行ったのですがあいておらず門の外まで行ったので遅くなってしまいましたっ!申し訳ありません!!!!」
こそっと
幸いにも周囲の部屋には誰泊っておらず、女将さんと旦那さんから朝から騒ぐんじゃないよ!次やったら出てってもらうからね!!!と大分お𠮟りを受けましたが。
女将さん近隣の皆さんごめんなさい。
そんなことがありつつ、朝食を食べ終えた4人と共に私は討伐対象を探して森に入りました。
あ、ちなみにこのパーティでの私の役目は、囮、索敵、料理などの雑用、荷物持ち、
捜索していると、何体かの魔物と遭遇したりダンジョン帰りの探索者たちと遭遇して彼らの成果を聞いたり、お昼を食べたり――
そうして幾許かの時が経ち、今日はこの辺で野営をしようとリーダーがいったので、私は範囲索敵を展開し、寝床であるテントと
とはいえかまどは土の星霊様に頼んでちょちょいと作ってもらい、テントは強化魔法を使えば数分もしないうちに設営できてしまうので大した時間はかからないのですが。
「おいアバズレ、今日の飯はなんだ?」
「ウサギとイノシシが手に入りましたので薄くスライスした猪を焼肉として出そうかと思いまして。あ、ヒーラ様には野菜多めのスープをご用意してますが……」
如何ですかと首を傾げると満足されたのかメンバーの皆さんは各々の道具の整備を開始されました。
「アリア、何か手伝おうか?」
ヒーラ様が手伝いを申し出てこられたので、私の鞄から皆さんのお皿とコップを出していただきました。
調理が終わり食事になりましたが、私は給仕に手いっぱい。
カラさんから仕入れた特製タレに漬け込んだイノシシ肉を網の上へと並べ焼いていきます。
ヒーラ様用に作ったスープも一応3人に配りつつ肉が足りないと言われたら
忙しすぎてひと切れも口に入れることが出来ませんでしたよ。
美味しそうだったなぁ。
仕方ないのでこの網についた焦げた部分でも食べ…………にが…。
どんちゃん騒ぎが終わり皆さんが寝静まった後、私も片づけを済ませて寝ようかと思っていたのですが、下手に寝るとまた今朝の二の舞になりそうだったので火の番をして起きていることにします。
今日一日だけで(というか給仕だけで)かなり疲れましたが大丈夫です。
まだ1轍目。
3徹くらいなら多分大丈夫…のはず。
ん…?あれっ、かまどで隠れた所にスープが一杯だけお皿に残ってる…?
もしかして取っておいてくれた……?
そのスープは冷めてましたがとってもおいしかったです。
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