第4-1話 センジ
―センジ視点
俺様の名前はセンジってんだ。
ロンドの街の探索者で、Cランクパーティ「ウラエウス」に所属してる
幼馴染で
村一番の力持ちと村一番の魔法使いなら何でもできると思ってたんだが、現実はそうでもなかったな……。
クエストを受けに行きゃあ使いっぱしりとかの雑用系ばかりやらされるわ、地下水路のネズミ退治くらいじゃ訓練にもなりゃしねえ。
マジの奴は早々にGに上がって図書館に通い詰めてやがったが。クソったれが。
今いるパーティのリーダーである
ロンドでGランクになった俺たちが討伐のクエスト中に森に入ったらマジの野郎が足を捻りやがってな?
そこを偶々近くにクエストで来てたヒーラが手当てをしてくれたんで、感謝の印としてその晩に酒を一杯奢ったわけよ。
ヒーラもいい女だったしな。
んでいざ飲み始めてみたら年も近いし、お互い前衛後衛パーティだし田舎から出てきて一旗揚げたいっつー思い?も一緒だったもんだからよ。
その場で意気投合して翌日にはギルドへパーティ登録しに行ったぜ。
まあどっちのパーティ名を使うかでもめたから正々堂々じゃんけんで決めたんだけどな。
まあ俺様は大人だし?勝ちは譲ってやったわけよ。
………セリヒギ、カッコいいと思ったんだけどなぁ。
そんなこんなで俺様たち「ウラエウス」は4人になったから、受けられるクエストの幅も増えたわけだ。
だから順調に依頼をこなしてランクアップを続けたってわけよ。
ん?
ただ荷物持ったり雑用したりするくらいしかしてないし、デバフ?とかいうの使ったり索敵させたりしかしてないからほぼほぼパーティの役に立ってないんだよな。
あいついるか?
まあヒーラがなんか気に入ってるみたいだからついてこさせてやってんだから感謝してほしいぜ。ったくよぉ。
んでだ。まぁなんだ、その日は珍しく普段なら滅多に出ないはずのBランクの魔物の討伐依頼があったんだよ。
受付嬢から依頼書を見せられてもぐだぐだと渋るリーダをヒーラ以外のメンバーが総出で説得して受注させた。
んでいざ出発しようとしたらよ?あの万年Gランクのゴミが準備に時間と金を下さいとか抜かしやがるんだよ。
じゃあそんなに準備したきゃ1時間だけ待ってやるし、これでどうにかしろって俺様が金貨1枚くれてやったらよ。ククッ。
この世の終わりみたいな顔しながら走っていったぜ。
あれはクッソ笑ったなぁ。
ま、とはいえ道中の魔物は俺らの敵じゃねぇし?
ワルツまでは楽勝でついてよ。中レベルの部屋に行ったわけ。
そしたらあの万年Gランクがどこに泊まればいいかとか聞いてやんの。
おめぇの部屋なんかねぇっての。
ただでさえ俺らも一人1部屋しか取ってねえのによ。
ま、最悪体でも売ってどうにかすんだろ。
にしても、同じ女のヒーラの奴もゴミを見るような目で見てやがったなぁ。ククク。
そんでその夜はあの万年Gランクがいなかったおかげか、あのクソマズイ飯も食わなくてよかったしかなり快適に過ごせたぜ。やっぱあいついらなくねぇ?
あくる朝俺が鍛錬の為に朝起きると、どこで寝たのかいつも三つ指ついて待ってるあのアバズレの姿がないんでやっぱり体売って泊めてもらったから帰ってこれなかったんだなと思った。
一人で鍛錬の準備してたら微かだが入口のドアがきしむ音が聞こえたんで、階段の頂点に立って出迎えてこう言ってやったわけよ。
「ほーう?朝帰りとはいい度胸だなぁ?アバズレ」
ククッ。だっせぇ顔。
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