ママが風邪をひきました。

今日のこと。

昨日は通信制高校の見学に行ってきました。そこの校長だかキャンパス長だかの話をえんえんきいてきました。進学校から来たんだったら、多分レポートは余裕だと思うから。大学受験はするんだよね。まあ、はい。通信はいい評定が取れるから、総合選抜で狙う人も多いよ。早慶はね、＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊、上智志望の子が、＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊、真面目にやってればなんの問題もないから。受験なんていいよ、テキトーな短大出て窓際会社員なろうかな、けど、理系科目も頑張って農学部に行って、って話した。しっかりしてるね、大丈夫そうだね。そうですか、はい。

帰ってきたらママが熱を出しているそうでした。コロナかも、マスクだの消毒だの、もう風呂入った、私は寝る。なんで今日熱出すの、きょうがんばったのはあたしでしょ、絶対に言わないけど。その日は調子良くて、買ったのにあんまり着てなかったおしゃれなパンツとアウター。調子乗って自撮りしてTwitterに上げた。パパとカレー作って、スマホいじってたら深夜になって、もう寝なきゃ、生活リズム整えて、通信通って、大学も行かなきゃ、朝起きれないと働けないから、けどそんな気分じゃないし、風呂上がったら配信しよ。ほとんど人は来なかったけど、ずっとだらだら喋ってたら朝になった。さっきの自撮りをアイコンにして、なんだかTwitterの雰囲気が変わって、可愛くなったし、リットリンクも変えようと思って、背景画像で苦戦してた。6時のアラームが鳴り出して、ママが職場に電話をかけてたから、ああ、今日休むんだ、なおんなかったんだ。ママに、これから寝るねっていった。起きたら午前3時、身体があっちこっち痛いし、またTwitter見て、ああ、こんなんじゃ廃人になっちゃうってダンボールにスマホ封印して、朝食でも昼食でもないけど昨日のカレー食べた。食べ過ぎた。

コロナ陽性だった、買い物、代わりに行ってきて、分かった、梅干しのおにぎりと、消毒液と、プリンとゼリーと、今日パパは夕飯いらないって言ってたから、1人で食べる用に、なにか。熱を出した時に食べやすいプリンは定番だった。いつもはママにお金もらって買い物に行くけど、今はコロナで接触回避しなきゃいけないから、自分の財布から出して建て替えておくことにした。黒い小銭入れと青い財布。三和まで歩くと遠かった。そうだ、食べやすいから朧豆腐も買っておこう、プリンとゼリーは値段も見ずに、チーズとかヨーグルトまで買って、なんだかよくわからなかったし、梅干しのおにぎりよりも梅干しのお粥がいいだろうと思ってカゴに入れて、だけど消毒液は見つからなかった。自分の夕飯のために焼き魚でもしようと思ったけど結局味の濃そうな惣菜を入れてしまった。お金、足りないかな、もう足りなくていいや、レジで、4千円です、財布あさって、何回も漁って、ごめんないです、戻してきます、って泣いて、どうしたの、あの、ママが風邪ひいて、買い物来て、でも、なんかよくわかんなくて、お金も足りなくて、もうだめだし、ごめんなさい。男なら泣くな、ってどっかのジジイが言ってきそうだったから、泣くのはやめておくことにした。お金も足りた。ちゃんとボロい財布に万札が入ってた。レジでジジイとババアが列の順番で喧嘩してて怖かった。なんか、お腹のあたり、気持ち悪い、吐きそう、さっき食べすぎたからだ、昨日の夜からずっと食べてないのにいきなりご飯何杯もいくからだ。ごめんなさい、でもあたしは悪くないでしょ、仕方ないもの、過食だから。

帰ろ、ちょっと寒い風が吹きつけて、足が重いし、喉にずっと胃液が上がってくる。吐きたい、いきなり道で崩れて、さっき買った卵が割れて、カレー胃から全部出てきて、どうしたの、大丈夫、って誰か背中さすってくれて、ゲロに涙が混じって、あの、ママが風邪ひいて、でもあたしが悪いの、あたしが学校辞めて夜中まで起きてたりするから、でもさっき買ったプリンは届けなきゃいけないかもしれない、道端では吐かない。自販機見つけて、もう限界って思って「あったか〜い」綾鷹を140円で買って、祈るように両手で握りながら歩いた。風はそんな寒くないのに、ふらふらして、車道に一瞬倒れそうになって、あ、このまま轢かれて大怪我しちゃってもいいかなって、そうしたら全部チャラになると思ったけど、普通に歩いてた。「あったか〜い」ペットボトルがあんまりあったかくなくなるまで、握ってたらベコベコにへこんだ。あたしは特別な人間なんだ、あたしは特別な人間なんだ、だからこんな、つまらないことで、しんどくなる、でも特別なんだ、あめのよるるは世界で一番特別だから、それ以外の事実はどうだっていい。そういいきかせて、そうしたらまっすぐ歩けるようになった。あ、消毒液も、買いに行かなきゃ、だから、ドラッグストア、行かなきゃ、いやだ、あたしは、今すぐ帰ってこのこと小説に書くんだ。三和で買った分の重いエコバッグ抱えて、ドラストに入って、あの、消毒液どこですか、ねえ、なんでないの、おかしいじゃん、あたし、ママが風邪引いてんだよ、ねえ、なんでそんなわかりにくいの、店員さんにはちゃんと丁寧に尋ねた。今のあたしは店員さんから見て「大丈夫そう」なのか気になる、明らかに取り乱してて暗いのかな、それとも早慶上智くらい賢くて真面目な子だと思われてるのかな。レジ袋お願いします、レジ袋、でよろしいですか、はい、お金を入れる時に手が震えて、大きすぎる札といくらか数えもしない小銭をぶっ込んでお釣りをもらって、カゴをガタッと落としてレジのお兄さんに心配された。

そういや、まだ梅干しおにぎり買ってない、今からセブン行くか、帰って、階段の下から、おにぎりなかったって、いおうか、いいたくない。ママは、おにぎりの方が探しやすいからおにぎりって言ったんじゃなくて、本当にお粥よりおにぎりが食べたいのかもしれない、迷ったけど、足はちゃんと向いた。馬鹿みたいに梅干しだけ手に持って、レジに並んで、いろはすがレジ横に並んでたからあんまり考えもせずに買った。家の玄関の鍵も、手が震えて苦戦した。

買った物は冷蔵庫にぶち込んで、卵もパックから開けずに、ベビーチーズはカレー鍋の蓋の上にねじ込んで、常温のものは床に放置した。ママに買ってきたプリンをひとり先に食べて、プッチンできるプリンなのに皿も出さずに食べて、チチヤスヨーグルトもかき込んで、iPadを開いて小説を書き始めた。

ママにあったかいお粥と味噌汁を沸かして、出してあげました。おいしかったって言ってました。梅干しのおにぎりは明日、朝食で食べるそうです。あたしはエコバックの中で傾いて、かたよってしまった三和のおつまみベーコンマカロニ大を皿に開けず、スプーンで食べながらこの文章を書いています、マスタードが辛いです、食べ終わりました。なんで1人分なのに大を買ったのでしょう、わからない。少しだけ孝行できたかもしれません、いつもありがとう。