青年と海
春の陽気で、海辺をほがらかに温める陽気が気持ちいい。
僕は、思い出に浸り。感傷的な気分の中。海水浴場の浜を歩いていた。
カモメが高い声で「くきゃー、くきゃー」と鳴いている。
まだ、海開きには早い。波の音だけが静寂が包む中、「じゃりじゃり」と自分が浜を歩く音だけが聞こえている。
気持ちがいい。
しかし、靴で歩いてはいけなかった。
砂が入り、水も染みて履き心地最悪である。
小学生の頃は、冒険だと言って様々物を必死に持って汗をかいて、走り、死にそうになっていたが、高校生にもなると、日記一つだけでは、息も上がらない。気が付けば、浜の終わりが見えてきた。靴に大きな代償を抱えて
一度浜を出て、浜の前のガードレールのような防波堤だろうか、コンクリで舗装された道を通る。カヌーにモーターをつけたような、大きくない漁船で漁師が仕事をしている。この光景は好きだ。
波の音をBGMにしながら結構歩いた。本当にこのコンクリ道は思うより長いのである。
そうして、より細い道へと入っていく。生活感を感じる細い道を通りそして、ひらけた所に出た。
周りには空と海と灯台が広がっている。灯台は崖の上に立っており、風が気持ちよく吹いている。よかった風が強くなくて、ルーズリーフが飛んでいくと困るから。
僕は、唯一の荷物である、日記を出す。そして、海へ落ちていかない為の柵に身を大きく乗り出す。
そして、日記を開き、最後のページを眺める。
そこには、”最後に、海へこれを、捨ててください。”とある。
この恋も本当にこれで最後だ。「どぼん」という大きな音の後周りは静かになった。
僕と恋と少女 。 @uminokotori
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