第28話 出来ることからコツコツと

 今日の祝寿吉のモフモフは破壊力がすごかった。ついついモフモフしちゃったけれど大丈夫だったかしら?


『別に大丈夫だと思いますけど。本人も嫌がってなかったですし。』


「そう?良かったぁ。今日は新しい事が沢山だったから私も日記書こうと思っていて。でもさ、優弦さんの祖先が陰陽師だったり満月が祝寿吉に声をかけたりしていたのは、全部繋がってるって事なの?」


『うーん、私には何とも言えないのですが。ただ偶然にしては出来すぎていると言うか、やはり月の力なのでしょうかね?』


「そっか。不思議だよね、ぜんぜん違う人なのに魂とか血で昔から繋がってるとか。満月は眷属になる前の記憶もあるんだよね?」


『そうですね、なんせ美月さんの側に居たいと願いましたから。月がその願いを聞き入れて下さったなら生きていた時の記憶は続くんでしょう。』


 優弦さんに迷惑かけてたのかな。いろいろ手伝って貰ってたから反省。噂をすれば優弦さんからLINEだ。祝寿吉がタブレット使うからリモートの練習させてだって。

『祝寿吉さん、覚醒してから変わりましたよね。早く繋いで下さいな。』

 満月がすごく楽しそうだ。


『これで合ってるのかな?おーい、見えてますか?声も聞こえてますかー?』


「大丈夫!ちゃんと見えてるし聞こえてるよ。あれ?優弦さんは?」


『画面には映ってませんが近くにいますよ。自分でやった方が覚えるからと言われて、その通りなので教えてもらった通りにやってみました。』


「なんかしっかりしたよね、祝寿吉。」


『優弦さんにも言われました。それで、しばらく自分の時間を設けたいらしくて僕からの連絡が多くなる事を伝えようと思って。僕も出来ることはやろうと思っています。』


『美月さんには私もついていますし、こちらも気長に調べようと思います。』


『それから、美月さん。優弦さんはやりたい事が沢山あるから今やれることを頑張ると言っていました。月兎の事も自分の祖先の事も調べたくてウズウズしている感じです。なので、もし迷惑かもと思っていたらそれは間違いだとお伝えしておきますね。では失礼します。』


 そんなに気にする事は無いと本人以外からも言われてなんだか安心した。満月が言ったからでは無いけれど私も気長に調べよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕とタヌキと兎の君 永井ひなた @hinatanohinata

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ