第27話 今やるべきこと

 月兎の日記や先祖の事、調べたい事は沢山ある。だからこそ、勉強や学校の事もしっかりこなしていきたい。取り合えず美月さんに時間を貰ったのはそういう事情もあった。


『僕のお願いが優弦さんの足を引っ張らなければ良いのですが』


「大丈夫、そういうのじゃないって言ってるだろ?俺さ、昔から楽しくなってきちゃうとどうしても片方がおろそかになっちゃうんだよ。だから後のお楽しみの為に今はテスト勉強とか進級試験とか気になってる試験もいくつかあるし、頑張ろうと思ってて。」


『そうなんですね。じゃあ、僕も僕ができる範囲で何か調べられないか考えてみます。』


「吉さぁ、記憶が戻ってから何だか発言とか考えとかしっかりしてきたよね。やっぱり記憶の影響とかあったの?」


『自分ではあまり気になっていないのですが、そういう事も影響していたのかもしれませんね。モヤモヤがすっきりしてますし。』


「そっか。じゃあ、出来る範囲でお願いしようかな。勉強の合間なら全然かまわないから何かあったら教えてよ。」


『わかりました。少し居なくなる事もあるかもしれませんが、今は優弦さんの眷属ですから呼び掛けて頂ければ会話も出来ますし、直ぐに帰ってきます。』


 今日知った事だけでもパソコンにまとめておこう。余ってるタブレットがあったから祝寿吉が使える様にしておくか。




 優弦さんがというものを貸してくれた。スマホやパソコンと同じ様なもので、優弦さん曰く指を出して「ポチっとな」で良いらしい。なんだか使えるか分からないけれどお借りしてみた。

 普段は使わないかもしれないけど、使わないと覚えないでしょと言われ優弦さんに頼んで美月さんや満月に連絡してみたら、思った以上に普通に話せてビックリした。


 ・・・よし、壊したらいけないから仕舞っておこう。僕の大事なものを置いている、優弦さんの部屋の隅の『僕の部屋』と称した一角にタブレットを置いて丸くなる。


優弦さんが『仕舞ってるし』と苦笑いでこっちを見ていたけれど、眠くなってきて直ぐに視線も気にならなくなった。


 今日は僕も疲れた。膨大な記憶が一瞬で溢れてきて、優弦さんと雰囲気がそっくりの男の人の顔もはっきり思い出せた。雰囲気は優弦さんだが顔は優弦さんのお父さんに似ていた。他にも思い出した事が沢山ある。あれは教えた方が良いかな。これも教えてあげよう。伝えたい事は沢山あるけれど、今日はおやすみ。

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