好き。以外の言葉が思わず出てこないほど……好きです。

 思春期の女の子の瑞々しい感情を掬い取って描いている作品です。人間の声の中にある感情が苦手だから、フラットな声で話してくれるAIとばかり話してしまうという設定がなにより面白いし、新鮮でした。こわばっていた心がすこしずつほぐれていく描写が丁寧でいつのまにか引き込まれていました。
 これから長い冬が終わり、じわじわとあたたかな春(雪解け)を迎えるいまに出会えてよかったなと思います。