春休みは終わり、春がはじまる【KAC⑦いいわけ】

 床に敷かれた布団に、花も恥じらう女子高生たちがパジャマ姿で転がっている。

「で、その日は弥生くんにうちに泊まってもらったの」

「ちょ……いきなり? どうしてそうなった。最初から説明して」

 話の腰を折られた桃野ももの 美月みつきは、どこから? と尋ねて、友人のアユに「だから最初から」ともう一度言われる。

「ポテチ開けていいー?」

 しーちゃんもこれは長くなりそうだね、とコンソメ味の袋を開く。

 

 美月が本屋でクラスメイトのかく 弥生やよいに会ったのは偶然だった。

 参考書の棚の前に立っている彼の姿を見て、つい話しかけてしまったのだ。

「春休み2人で一緒に遊ぼうって誘ったの」

 親友たちが、同じ角度でずっこける。息はぴったりだ。

「でたよ美月の無駄な積極性。それを、あの角弥生が、喜んでーって言ったの?」

「ううん。何のために? って言われた」

 デスヨネーと少女の声が揃う。


 卒業式当日は、トラブルがあって両親が参列できなかった。

 みんながチラチラと自分の親を探す中、自分と同じようにまっすぐ前を向いたままの弥生も、ご両親が来られなかったのだろう。

「帰りにゲーセンに誘って、太鼓叩いて、メダルゲームして、おそろいのぬいぐるみ取った」

 枕元に置いてあったピンクの怪獣のぬいぐるみを、美月はギュッと胸に抱く。

「それもう、デートでしょ」

 アユの声に、違うよ? と美月は小首を傾げる。言っても無駄よとしーちゃんが目くばせした。


「その次が……あの、水族館」

 シュンとした表情でそう言った美月に、「あぁー」と2人は絶望的な声をあげる。

「LIMEのやりとり聞いただけでもひどいと思ったけど、前段聞いたらもっと悪いわ。さすがに角弥生に同情する」

「鈍感を通り越して、サイコパスレベル」

 親友ならではの容赦ない感想に、美月は布団に突っ伏した。


 暇な3年生を集めたら、団体料金で水族館に入れるんじゃないかと誰かが言い出し、その召集のつもりで美月は何気なく弥生も誘った。

 ただ、それを『水族館へ行こう』としか伝えなかったから、彼は美月と2人で行くものだと思って来てくれて、そして多分とてもがっかりして帰ってしまった。

 

「待ってよ、そこからどうやったら美月の家でお泊りなんて流れになるわけ? クスリでも使って誘拐したの?」

 しないよそんなこと、と慌てて美月が顔を上げると、しーちゃんから狙いすましたように口にポテチを押し込まれた。

「夜の10時すぎにジョギングしてたら、偶然家の近くで会ったの」

 ほほうとアユの目が細くなり、素早くしーちゃんはスマホで何かを検索。


「ホシの自宅は3駅先です」

「偶然という時間帯でも場所でも無いな。ヤツもクロか」

 いいだろう続けたまえと、先を促すと、うーんと美月は言葉に詰まった。

「何でうちに泊まることになったかって言うと……ママが誘って、お父さんが交渉してくれたからかな?」

「オッケー、把握。美月ママは常に不可能を可能にするわ」

 

「その時に水族館のことを謝って、弥生くんと仲直りしたよ」

「一応聞くけど、仲直りって隠語じゃないよね?」

 真顔で尋ねたしーちゃんの頭を、アユがペシンとはたく。美月は「リンゴ?」とポカンとしていた。

「で、そのお泊りでそれっきり?」

 強引に空気を変えるのは、アユの得意技だ。

「ううん。それからは弥生くんが体を鍛えたいって言うから、ほとんど毎日一緒にトレーニングしてる」


 もう付き合っちゃえよと、しーちゃんはボリボリお菓子をかじる。

 高校在学中には、さほど気にしている様子も無かった陰キャ男子に、突然の猛アタックは、付き合いの長い2人からしてもせない。

 美月はもっとこう、バスケ部のキャプテンとか、学祭で目立った軽音部のボーカルとか、分かりやすくミーハーな人に恋する女の子だった。

 

「何でそんな今さら、弥生くん、弥生くぅんって言い始めたのよ?」

 核心を突くアユの質問は、イイ大学に受かった男だから早めに確保しようという腹積もりか? という、若干の意地悪も込められていた。

「えっ、だってかくくんって、言いにくくない?」

 親友たちは同時に「カククン」と発音し、なるほどと脱力した。

 この美月に、そんな高度な計算ができるはずも無かった。


「あっ、弥生くんから電話」

 ピョコンと美月が布団の上に起き上がり、廊下に出ようとした。

「はい……ひゃっ! ご、ごめん大丈夫。ちょっとズボンが下がっただけ」

 片足ずつアユとしーちゃんの手に、パジャマを下から引っ張られている。「座れ、ここで話せ」という無言の圧力だ。

「予定? あ、うん。明日はちょっとムリそうだけど、その後は大丈夫」

 このまま朝まで語り明かす予定だから、懸命な判断だ。

『そう。じゃあさ……』

 聞き耳を立てる親友たちの耳にも、弥生の緊張した声が漏れ聞こえてくる。


 10秒、いや20秒はゆうに経過した後で、少年はようやく言葉を紡いだ。

『明後日、2人で水族館に行きたい。誘っても、いいかな』

 ぱあっと頬を染めて、美月は「うんっ!」と返事をする。その足元で彼氏のいない友人たちはキュン死していた。


「……角弥生、見直したわ。アイツになら、美月の初めてを捧げてもいい」

「何で乙女の一大事をアユが決めるのよ。ダメダメ、美月は永遠に清く生きるんだから」

 親友たちの下衆なやり取りも、ぽわわーんと電話の余韻にひたっている美月には届かない。

「美月」

 正気に戻すため、少し改まった口調でアユが呼ぶと、少女は夢からさめたように目を合わせた。


「角弥生は、何で卒業の今になって突然遊びに誘われたのか、きっと戸惑ってるよ。だけど、アイツなりに誠実に向き合おうとしてくれてること、分かるよね?」

 分かる、と美月は大きくうなずいた。

「どうして自分が弥生と遊びたいと思ったのか、ちゃんと考えな。クラスメイトだからなんていいわけはナシだよ」


 でも、と今度はうなずかなかった美月に、しーちゃんが穏やかに問いかける。

「出席番号、3番、8番、11番。思い浮かべてー、浮かべたら考えてー、2人で水族館行こうって誘われたら、今みたいに嬉しい?」

 チョイスに悪意があるわと苦笑いするアユの横で、美月は首を横に振る。

「じゃ、クラスメイトなら誰でもいいってわけじゃないんだよ」

 そう……そっか、と美月は小さくつぶやいた。ストンと心の中で何かが落ち着いたらしい。

  

「ありがとう。ちゃんと、考えてみる」

 澄んだ瞳で少女は宣言した。この子がこういう顔をしたら、もう大丈夫。

「よっしゃ、景気づけにサイダーをイッキだ」

「えー、これ1.5Lだよ!?」

「嫌ならビッグサイズのうすしお味をイッキだ」

「ニキビできちゃうからぁ!」

 かしましい深夜の女子会は、宴もたけなわであった。




 美月が約束の時間の電車に乗り込むと、座席の端に座っていた弥生が軽く手をあげた。

 前まで行くと、すっと席を立って美月に譲る。

「いいよ、私、元気だからっ」

 思わず声が大きくなってしまった。周りの乗客から視線を集めてしまい、ものすごく恥ずかしい。

「じゃ、立ってようか。こっちの扉は、水族館まで開かないから」

 弥生は気にした様子もなく、美月の隣に立つ。


 窓の外を眺める少年の横顔は、美月より頭1つ分高い。

 この人が、私の好きな人。

 親友たちの助けを借りて、やっと自覚した恋心に足元がふわふわする。


「そういえば」

 スッと少年から向けられた瞳に、美月はあわてて下をむいて前髪を抑えた。

「腕立て7回できるようになったんだけど……もしかして、体調悪い?」 

 気遣わし気に変わった声に、必死で首を横に振って否定する。

「違うの……夜中にポテチ食べすぎちゃって、おでこにニキビが……」

 少年は遠慮がちに笑った。

「僕も眠れなかったから、このへんにひとつできた」

 重い前髪を持ち上げてくれた少年の、サラサラのおでこには、そんな跡どこにも見当たらない。

 真剣に探しはじめた美月の遠慮ない視線に「見すぎ」とつぶやいて、赤くなった頬は、窓の外へそらされた。

 

 


 水族館へ入ると、中学校の卒業式も終わったせいか、前回より人が多い。

 そして、手を繋いで歩いている男女がやたらと目に付く。

 入り口に一番近いトイレでは、鏡の前でリップを塗って、髪を直して、戦闘準備完了という雰囲気で、次々に女子たちが出撃していく。

 美月も一通りのみだしなみを確認して、気合を入れてテイクオフだ。


 あの日と同じように、薄暗い廊下のベンチで弥生は座っている。

 あの日と違うのは、何かを熱心に読んでいることだ。


 美月は、彼が本を読んでいる時の姿が好きだった。

 机に本を置き、シャンと背筋を伸ばして座り、ページをおくるために左手の親指だけが微かに動く。

 そこだけ時間がゆっくりと流れているような空気をまとって、弥生はいつも騒がしい教室で本を読んでいた。

 学校では誰とも目をあわせない少年に、じっと見つめられる本がとても特別なものに思えた。

 あの時、本屋で思わず声をかけてしまったのは、卒業してしまったら、彼が読書しているところを見ることはもうないのだと、唐突に気が付いたからだ。

 

 大学行ったら、帰りにこのカフェで集合しようよ。夏休みにはバイトして四国旅行に行こうよ。親友たちとは、この先も変わらない未来の予定があった。

 卒業してもたまには集まろう、ハタチになったら同窓飲み会もしたいよね。クラスメイトたちとも、この先もつながっていられると思う。


 だけど、彼は。

 卒業してしまったら、たぶんもう二度と会えない。どんな集まりにも参加してくれないだろう。


 クラスの男子に「何でわざわざ角のこと誘ったんだよ」と聞かれて、思わず口をついた「だって、クラスメイトだから」は、他でもない美月が自分にしていた、いいわけだった。

 大学進学前の今なら、まだ美月は彼の同級生で、それなら誘ったっていいはずだと思った。


 焦燥めいた感情にまかせて、美月は弥生に「遊ぼうよ」ともちかける。

 まだ恋と自覚できずにいたのに、このまま彼と離れ離れになりたくないと、ちゃんと心が叫んでくれたのだ。

 

「おまたせっ」

 美月が背後から近づくと、弥生はぎっしり何か書き込まれた手帳を閉じかけ、おずおずと少女の顔の前に開いて見せた。

「僕なりに見学コースをシミュレートしてきた」

「うわぁ……細かい」

 Aプラン、Bプラン、雨天時、混雑時、様々な想定による行程が、弥生の几帳面な字でびっしり書き込まれている。

「いっぱい書いたけど、つまりはイルカのショーと、ペンギンの餌やりタイムがコントロールポイントになる。あとは、人の少ないところをゆっくり見て歩けばいいと思う。どうかな?」

 真顔でコントロールポイントとか言ってしまう少年に、美月は何故か嬉しくて飛び跳ねたくなった。

「うん! そうしよう。今日は弥生くんについていきます」


 この水族館に、美月は幼い頃から何度となく訪れている。家族とも友人とも来たし、小中学校の現地学習でもお世話になった。

 だけど俗に言う「頭のいい人」に同行してもらうと、見えるものが全然変わって来るのだ。

 この魚たちは共生関係だから、同じ水槽に入れても大丈夫なのだとか。このクラゲの水槽、水温が30度もあるねとか。

 キモい、ヤバい、エモい。だいたいこの3つの感想をヘビロテしていた前回と大違いだ。


 少し歩き疲れたなというタイミングで、まだほとんど誰も入っていないイルカショーの会場に入る。

 最前列も空いているのに、弥生はあえて前から5列目の中央あたりに座った。

「一番前じゃなくていいの?」

「たぶん、一番前じゃないほうがいいと思うよ」

 含み笑いする弥生と、休憩がてら、のんびりとおしゃべりする。

 やがて続々とお客さんが入ってきて、たちまち会場はいっぱいになり、後ろまで立ち見であふれた。無計画に水族館を回るタイプの美月は、いつもこの直前移動組で、人と人の間からしかショーを見たことが無い。


 ゆったりと席に座って、遮るものの無い環境で見るイルカのショーは、迫力が桁違いだった。

 つやつやとしたイルカの鼻先や、開いた口の中の意外と凶暴なギザギザの歯までよく見える。

 そして、クライマックスの大ジャンプで、前3列に座っていた客は派手な水しぶきを頭からかぶった。

 4列目の足元にも、水滴が落ちているが、5列目は一滴も濡れていない。美月が驚いて隣の弥生を見ると、ね? と少年は嬉しそうに笑った。


 ペンギンの餌やりでは、へっぴり腰で魚を与えようとする弥生の姿を激写し、美月もペンギンたちと楽しく戯れた。

 春の海風はまだ冷たく、早々に館内へ戻ってカフェが併設されたミュージアムショップへ移動する。

 揃ってココアを注文した後で、弥生は少し外すねと断って席を立った。

 さっき自分は堂々と「トイレ行ってくるね」と言ってしまったことを、ひそかに美月は悔やむ。

 

 ココアが運ばれてきた頃、弥生も席に戻る。その手にショップの袋が下げられていた。

「これ。ゲームセンターのぬいぐるみのお礼」

 差し出された袋を受け取って、美月は急に申し訳なくなる。

「あの怪獣のぬいぐるみ、私が勝手に押し付けたのに……なんか、ごめんね」

 だから恐竜だって、と軽く訂正した後で「それに、アイツのこと、気に入ってるから」と少年は付け足した。

 たったそれだけのことで、美月は自分がカーッと赤くなっていくのが分かる。

 よく分からないが、今、突然猛烈に弥生を男性として意識した。 


「こ、これっ、開けてもいいかな?」

「えっ、うん。どうぞ」

 向こうからも戸惑った空気を感じていたたまれない。時間を稼ごうと試みた開封の儀は、ものの数秒で終わってしまった。

 プラスチックの箱におさまっていたのは、水族館のロゴが小さく入った3色ボールペン。金属製で高級感がある。

「今日の思い出と、これから大学でも使えるものを選んだ……つもり。ぬいぐるみの方が良かった?」

 ブンブンと美月は首を振る。

「ううん。すごく嬉しい、毎日使う」


 ホッと、弥生は息を吐いた。

「良かった。遅くなったけど、やっとお礼ができた」

 ココアを一口飲んで、もう1回長く息を吐いて、そして彼は腕時計を見る。

 

 楽しい水族館の時間も、春休みの終わりも、もうすぐそこに迫っていた。

 

 美月はココアのカップを両手でギュッと持ち、まだ熱い中身をゴクゴクと飲み干す。

 そんな風に飲む物じゃないよとでも言いたげな、驚いた表情の少年を前に、手の甲で唇をぬぐった。ハンカチを出している暇は無い。

 喉から胃へ落ちていく熱量を直接、告白の勇気に変換する。

「弥生くんのことが、好きです」


 すでに驚いていた弥生の目が、もう一段階丸くなる。

「でも、弥生くんに恋してるって自分でも気づいてなくて。今までいっぱい無神経なことしたり言ったりして、ごめんっ」

 ガバッと謝罪の姿勢を取っておきながら、無意識に美月の手は「でも、お願いします」と言わんばかりに弥生に向かって差し出されていた。


「えっと……触って、いいの?」

 戸惑う低い声が、少女の脳を甘く痺れさせる。

「ぜひ」

「ふふ、是非って。桃野さんはいつも勢いがすごい。尊敬する」

 そうっと、壊れ物でも扱うように美月の手を両手で押し包んで、弥生は言った。


「僕も、桃野さんが好きです。一緒に遊ぼうって誘ってくれてありがとう」

 美月が顔を上げると、弥生はとっさに目を逸らし、相当努力をして再び目線を合わせた。

「少しずつだけど、キミに見合うようになりたい」

 せめて、想ってくれる人からだけは、逃げ出さない強さを。


 弥生の決意の言葉に、美月は倍くらいの力で、華奢きゃしゃな少年の手を握り返す。

「……うんっ! 絶対幸せにします!」




 高校生活という青春の箱が閉じる。なにひとつ悔やまずに、その時代を越えられる者など、おそらくいないだろう。

 けれど幸運にも、彼は、そして彼女は、儚い3月のゆらぎを逃さずその手につかんだ。

 そして、少しだけ成長した姿で、新たなステージへと共に進む。


 ふたりの門出に祝福を。

 

(完)


==コメント==

あまくに みか様

2023年3月22日 08:29


中盤から「ああああ…」と意味不明な声を出しながら読みました(笑)

めちゃくちゃキュンとして、いったん心を落ち着けてから後半読みました!!

なんて、幸せな気分!!ありがとございました!


作者からの返信


あまくに みか様

私も中盤から意味不明なうめきと共に書いていました。

心は青春にどっぷり漬かりたいのに、この季節仕事が容赦無くて。

「やってられるかぁ!(仕事の方を)」ってなりそうになりました(笑)


幸せ気分を拾って下さり、コメントレビューまでありがとうございます!

うぅぅ、頑張って書いて良かったよぉ。


上田 直巳様

2023年3月17日 23:24


美月ちゃん側から見ると、弥生くんがだいぶ違って見えますね。弥生くんの変わろうとした努力の成果もあるのでしょうね。

素敵な物語、ありがとうございます!お題に沿って短時間で書き上げながら、全体を通してもこんなにキレイにまとめられるなんてすごいです!!


作者からの返信


上田 直巳様

恋する女子にとって、好きな人なんて4割増しくらい良く見えているものです。

そこを差し引いても、弥生の方から美月へ歩み寄ろうという気持ちが、2~6話の間で醸成されたところは、書いていて楽しかったです。

反省も多いですが、ひとまず初参加のKACお題連作が無事終わってホッとしています。

お付き合い下さってありがとうございました!


きみどり様

2023年3月17日 21:46


私もキュン死しました!

めちゃくちゃ良かったですー! 読めて良かったー!!

弥生くんの心も荒んだ冬から暖かく柔らかな日差しでいっぱいの春に変わっていったし、恋愛も春だし、季節も3月から4月に向かっていったし、青春だし、もうたくさんの春が詰まってました。

どんなお題が来るかわからず、しかも締め切りも早いKACでここまで心に響く連作を書ききるなんてすごいです!

素敵な物語をありがとうございました。お疲れさまでした^^


作者からの返信


きみどり様

キュン死ありがとうございます!

北国の民にとって、春はとても特別な季節です(主語大き目)

寒くて暗くて、雪で滑って、うぅぅ……なところから、パーっと温かい陽射しが降り注いでくる。そんなエネルギーを、このお話に込めてみました。

しかしいざ始めてみると、本気で締め切りが早すぎて、寝不足で痩せるかと思いました。……思っただけで、逆に少し増えていましたが。


最後までお付き合い下さって、ありがとうございました!


カフェオレ様

2023年3月17日 21:01


美月目線で語られる「いいわけ」。今回もしっかりお題を取り入れていて流石です。

そしてKACの連作短編完結おめでとうございます!

7つのお題でここまでの話を書かれること、とても尊敬します。

ふたりの門出に祝福を!


作者からの返信


カフェオレ様

最後にやさしいお題が来てくれて、安堵しました。

ここまでお付き合い下さってありがとうございます。


そしてそして、なんとコメントレビューまで!光栄です!

途中かなり苦戦しましたが、最後まで頑張ってよかったと思いました。ありがとうございます!


那由羅様

2023年3月17日 15:07


こんにちは(*'▽'*)連作お疲れさまでした!

意地悪なお題もある中、ここまで繋げた上に完結まで持っていくとは。おみそれ致しましたm(_ _)m


弥生くんの成長と美月ちゃんの気持ちの変化が見て取れて、読んでるこちらもキュンキュンしてしまいましたわ(*´꒳`*)


美月ちゃんの友達もいい味出してましたね(๑•̀ㅂ•́)و✧

あのやりとりがなかったらこの結末には行き着かなかったかも?と思うと、何でも話せる友達って大切ですね。


素敵なお話をありがとうございましたm(_ _)m


作者からの返信


那由羅様

一緒に駆け抜けたKAC2023お題祭り、ものすごい勢いでしたねー。

皆様の作品をもっとゆっくり味わって読みたいのに、自分のを書くのにも必死で、目が回るような毎日でした。


ご指摘の通り、美月のポヤン感が結構深刻で、よく分かってないままラストになだれ込みそうだったので、お友達に登場してもらい、ガッツリ詰めてもらいました。

恋心を自覚した美月は、思いのほか肉食系で書いていておもしろかったです。


谷地雪様

2023年3月17日 12:48


連作お疲れさまでした~!

無事7作目で結ばれましたね!

めちゃくちゃ計画的なデート。頑張ったなぁ……。

二人とも、そして竹部様も完走おめでとうございます!


作者からの返信


谷地雪様

なんとか完走しましたー!

とりあえずハッピーエンドで結ぶことができて、ホッとしています。

弥生は、めっちゃ予習してくるタイプで、もしかしたら前日に、一人で水族館に下見に来たかもくらいの勢いです。

お付き合い下さってありがとうございました!


@hikageneko様

2023年3月17日 12:38


仲直りって隠語じゃないよね?ぺしんっ!

この親友s、すごい好き。


いやぁ~すごかったー。お題連作、お疲れ様でした、ありがとうございました!!


それにしても…この幸せ感です!!うーんっ、キュン死しちゃいますわ〜。


作者からの返信


ひかげねこ様

慎み深いご婦人たちは、「仲良し」って言うじゃないですか。しーちゃんは、あれの派生形を想像したわけですね。


実はひかげねこ様は、途中で連作をあきらめた時に書くと宣言していた「ネコが主人公の話」を待ってくださっているかもと思っておりましたが、杞憂でしたか……。

キュン死、ありがとうございました!


lager様

2023年3月17日 11:11


いーやー! 甘酸っぺええええ。

私には書けないいいい!


美月ちゃん視点だと弥生くんがすごいイケメンに見えて面白いですね。でもどっちもカワイイ。

素敵な物語でした。完走お疲れ様です!


作者からの返信


lager様

書いている本人が「あまーーーい!」と悶えながら書いておりました。

こういう正統派な恋愛って、初チャレンジだったかもしれません。


弥生視点から見ている時は、結構情けなくてウジウジしていた彼ですが、美月に目線が変わると、それはもう惚れた弱みでイケメン補正がかかりました。


お付き合いくださってありがとうございました!


K-enterprise様

2023年3月17日 10:17


やりきりましたね!

もっと読んでいたいと思いつつも、KACという機会があったからこその物語。

最高の読後感と多幸感をありがとうございます。


作者からの返信


K様

やりきりました!もう真っ白です。

連作してみよー、という気持ち自体は、1作品目を投稿した時点からありました。

ですが、自分が平日8時半から17時、真面目な会社員であるということ。お題は平日昼に発表されて、期限が丸二日しかないということを、失念しておりました。

連作における胃痛と寝不足を、しっかりコンプリートしました。


あぁK様、哀れな私の灰を拾ってくださいまし、と思っていたら。

なんて嬉しいコメントレビューのプレゼント。ありがとうございます、ありがとうございます!!

「やったー、めっちゃ褒められたー。来年も連作がんばろー!」


山田とり様

2023年3月17日 09:39


二人がどんどん生き生きと動き出すのをワクワクして読んでいました(畳語多いな)。

これは興味深い実験でしたね。

そして青春の心をたどる成長物語にまとめあげる月子さんのバランス感覚よ……!

めっちゃ楽しかったです。


作者からの返信


トリ様

終わってみての正直な感想としては、思いつきでこんなことするもんじゃぁねぇな(江戸っ子)でした。

どんなお題が来ても、キャラクターはそれを受けて動くなということは実感できました。

ただ、それをこの短期間で作品に書き上げられるとは言ってなかった! 色々犠牲にして、なんとかフィニッシュです。

死なない程度に溜めまくった家事は、この週末でゆっくり片付けます。


ハマハマ様

2023年3月17日 08:49


あの『クラスメイトだから』をここで!

KACで伏線!驚きやで!天才か!


そしてなんつう可愛い二人。

さらにアユとしーちゃんの存在感。


『ヤツもクロか』『ココアの熱量を勇気に』

パクりたい――参考にしたいフレーズの数々!


めちゃくちゃ面白かったです!


作者からの返信


ハマハマ様

「クラスメイトだから」は、かなり弥生がガーン!ってなった瞬間だったので、ぜひ美月に『いいわけ』させたいと、今回のメインとなりました。

お題が違えば、華麗にスルーされていたかもしれません。


ハマハマ様はいつも、私がひそかに推しているフレーズを拾ってくださるから好き!

最後までお付き合い下さってありがとうございました。


カイエ様

2023年3月17日 08:26


面白かったです!

なんて綺麗なラスト……お題抜きにして、一つの作品としてずっと楽しかったです。

弥生のキャラクターが少しずつ解けてくるさま、ずっと変わらなかった美月の最後の急激な変化もとても良かったです。


それにしても友人諸氏やばいですね。

でも美月を見守ろうという心意気がいいです。


カクヨムさんの無茶振り大変でしたね。

本当にお疲れ様でした。

楽しい時間をありがとうございました。


作者からの返信


カイエ様

ピュアな高校生書くの難しいぃぃ!と叫びながら書いていました。

カイエ様はどうやってあの生き生きとした小学生を書いてらっしゃるのか、改めて尊敬します。


美月の意識改革のために、ちょっとアクの強めな親友たちを投入してみましたが、主人公ふたりより、こっちの方が書いていて楽しかった。アクの強い作者です。


普段お世話になっているモノカキの先輩たちと、同じお題に取り組むというのは、緊張もありつつ、非常に楽しいものでした。

こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました!


葦空 翼様

2023年3月17日 08:17


はーー!!!!!!

おめでとうございます!ありがとうございました!!!最高でした!!!!


お題が発表されて、即ほっとしました。いいわけという非常に優しいお題、弥生が大事な一歩を踏み出すのになんてお誂え向きなのでしょう!告白!告白!!


と思っていたら、なんと最後は美月視点で、思い出を振り返るところから始まって、ちゃんと気持ちを確かめて、素敵なリベンジデートをして、告白♡♡♡あまぁいありがとうございます!!!!!!!


友人たちとの気兼ねないやり取り、相変わらずボケが凄い美月、終始良い意味で「少年」の空気を纏った弥生。全部キラキラして素敵で、いや〜〜〜〜いいもん見た!という気分になりました!


ラストの投稿は本当にギリギリのゴールでしたね(時間的な意味で……)。執筆お疲れ様でした、素敵な作品を改めてありがとうございました!


作者からの返信


翼様

ほんと、ラストのお題に救われました。運営さん、ありがとう。


もっとサクッとここまでのあらすじを振り返る予定が、親友二人の悪ノリにすっかり文字数をくわれてしまいました。

15日で半分、16日で残り半分を書き、今朝は5時からチェックしてギリギリのゴールです。連作なんてアホなことでした。


でも、みんなと一緒に駆け抜けたKAC2023お題、終わってみれば楽しかったー。

今夜は打ち上げですっ!


下東 良雄様

2023年3月17日 08:05


コメント、失礼いたします。

弥生くん、良かった…! 美月ちゃんもガンバった!


淡い青春の一コマ、ステキな連作でした。

お題があったとは思えない物語の繋がり、本当に素晴らしいです。

執筆お疲れ様でございました!


作者からの返信


下東 良雄様

最後までお付き合いありがとうございました!


なかなか純真なキャラクターをメインに据えることが無いので、高校生の青春劇は新鮮でした。

お題に沿ってかなり蛇行しましたが、なんとか完結です。応援ありがとうございました。


☆☆☆レビュー☆☆☆

あまくに みか様より

『7つの小さな単語から、大きな物語がうまれた瞬間』

バラバラの7つの言葉から、こんなにもあたたかい物語が生まれるだなんて……。


読後、しばらく余韻に浸ってしまいました。


「青春」その一言で片付けてはいけないような気がしてしまいます。

一人の人間が、大きく羽ばたこうとする瞬間の輝きを閉じ込めた、まさに「祝福」の物語です。


カフェオレ様より

『卒業から始まる物語』

KAC2023の7つのお題で紡がれる連作短編小説。この作品はその最終話にあたります。


卒業直前まで関わりのなかった二人の高校生。そんな二人の交流を描いた物語は是非、一話から読まれることをおすすめします。


◆K-enterprise様より

『KACが導くふたりの門出』

 KACのお題を使って物語を紡ぐ手法は珍しくありません。

 ですが、お題ごとに星の獲得に必死な方にとって、連作は悪手。

 キャッチ―な内容で、読専さんに刺さる方が戦略的には正しいのでしょう。


 私自身は、どれだけ真摯に至誠を貫けるかという点に評価基準を置いています。

 換言すれば、濫造上等! ではなく、作者が生み出す作品に対し、どれだけ愛をこめているかということですね。

 もちろん完成度も高ければ言うことはありません。

 その点で言えば、本作の七つのエピソードによって紡がれた物語は、最高でした。


 作者様がどの時点で連作にチャレンジしようと決意したかは定かではありませんが、『本屋』から始まった物語は『いいわけ』に至る過程で驚きのつながりを見せます。

 時に頷き、時に驚き、時に感嘆を覚えました。

 そして最後は共感と共に、締めの言葉に辿り着きます。


「ふたりの門出に祝福を」と。

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春休みはじまる【KAC2023お題連作作品まとめ】 竹部 月子 @tukiko-t

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